『 最近の記事 』
伝統的な文化とともに、古い町並みが残る上京区西陣。
この町に佇む、歴史ある京町家のリノベーションを承りました。
こちらの京町家は築100年以上。
京都市の制度によって平成14年に「歴史的意匠建造物」、そして今年には「歴史的風致形成建造物」の指定を受けた、由緒ある一軒です。
長年この町家にお住まいの施主様。
受け継いだ京都の町家を残したいという思い。そしてその空間を生かしたリノベーションのプランを何年も前から大切に温めてこられたそうです。
「京都らしい町並みがなくなっていくのは本当に残念。海外の人にも、もっと普段の京町家を体験してもらいたいんです。そこで町家の風情を生かしながら最新の設備を取り入れてリノベーションし、日本はもちろん海外の方に遊びに来てもらえるような場所を作ろうと思いました」
その長年の思いが、「観光・食事・鑑賞」が楽しめるプライベート空間『あそんでいきなはれKYOTO』の原点だと仰います。
「まず重要なのが、リノベーションです。お任せする工務店は、この思いをわかってもらえる方でないととずっと思っていました」
「歴史的風致形成建造物の指定を受けた町家には、リノベーションの規制があるんです。だから工事もいろいろ難しい。ある工務店には『よう触らん(工事できない)』と言われたこともあります」
そのため、工務店選びには長年かけてこられたのだとか。
吟優舎にご依頼くださったのは大変光栄なことです。
今回のリノベーションは「普段の京町家でお食事やお座敷遊びが体験できる贅沢で優雅な施設」がテーマです。
「お店に来てもらうというよりも、お家に遊びにおいでよという気持ちを込めているんですよ」
京町家本来の佇まいを大切にしながら、新たな空間として生まれ変わらせる。
大変重要な任務を承りました。
少しずつこちらの様子をお届けしていきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
blogged by 黒川京子
2024年6月23日 4:40 PM |
カテゴリー:( 1. お知らせ ) |
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お客様が、ご依頼の経緯や施工の感想をお書きくださいました。
「お客様の声」として、こちらにご紹介いたします。
【京都市左京区 0様より】
コロナ禍が始まった2020年春、京都の街に町家ゲストハウスの売物件が沢山出ていることに気づき、私もこんな別宅があったらいいなと夢見ながらネットで何軒か古家を探しはじめると同時に、素敵な町家を検索していたところ吟優舎さんに行き当たりました。
ふと、ある古家について相談したく吟優舎さんにメールを送ったところ松山さんから迅速に返事をいただきその対応の良さにここにお願いしようとすぐに決める事ができました。
松山さんの良いところは(笑) 当方は素人で漠然としたイメ-ジしか伝える事しかできないのですがそれを受け止めてさらに上の提案を次々と勧めて頂けた事です。そして実際に小さな古家のリノベ-ションをして頂いたところ当方の想像以上の仕事をして頂けました。
大阪と京都の2拠点生活に確信が持てた一昨年、定年後の事を考えて車庫付きの物件があったらいいなぁとネットを見ていたら気になる1軒に当たりました。ただ今度は前と違ってフルスケルトンにするリノベ-ションが必要で改修費用が想定できず躊躇しましたが、松山さんに相談して“吟優舎さんに仕事を受けていただけて、予算が想定内だったら購入しよう”と決心しました。そして松山さんには内見に同行していただき、建物の状態を綿密に調査してもらい、上記2条件が可能と回答いただけたのでその場で購入を決めました。
私も建築にかかわる仕事をしているのでよくわかるのですが、一番心配なのが手を抜かれることです。ましてや工務店がそれを主導したら目も当てられません。
その点吟優舎さんに仕事をお願いすることができて、8カ月にわたる大工事も安心して過ごすことができました。(この安心というのは非常に大切だとつくづく思いました)
実際、完成最終チェック時に松山さんが何箇所もやり直しの指示を出されていて、そこまでしなくてもと恐縮すると同時にやっぱり吟優舎さんにお任せしてよかったと改めて思ったものでした。
吟優舎のスタッフのみなさんも松山イズムが浸透していて、とにかく対応が丁寧で何時も気持ちの良い応対をいただきました。
皆様本当にありがとうございました。
大切なお家のリノベーションを任せてくださり、さらにはこのようなメッセージをくださいますこと、大変嬉しく、また大きな励みになります。
身に余る内容に大変恐縮し、工務店冥利に尽きるばかりだと感激しております。心より深くお礼を申し上げます。
お客様に感動していただくことを目標に、今後も社員全員で日々の仕事を大切にしてまいります。
誠にありがとうございます。
blogged by 松山一磨 & 黒川京子
2024年5月9日 3:13 PM |
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前回より始まりました「伏御香宮の古民家リノベーション『蔵』」。
続報をお伝えします。
初回のお話はこちら→vol.1
この日は施主様と共に、京都御池にあるタカラスタンダードショールームを訪れました。
ショールームスタッフによる説明を聞きながら、システムキッチンやお風呂、トイレ製品の使用感を確かめることができるショールームです。
弊社では女性スタッフや設計プランナーが同行させて頂きます。
サイズ感やデザイン面の視点から施主様の製品選びをお手伝いいたします。
「キッチンはまず収納力が欲しい」と施主様。
食べ盛りのお孫さんがいらっしゃるので、お料理のサイトを見ながらよくお料理をされるとのこと。大きなフライパンやお好み焼き用のボウルなどを収納できるように…とのご希望です。
キッチンは、今あるキッチン備品を考えながら新しいプランを決めていくと失敗が少なくなります。
食洗機などもしっかりチェックされています。
こちらはお風呂。
実際に浴槽の入り心地を試されているところです。
「私はいつもお風呂で映画を見てるんです」とおっしゃる施主様に
「スマホを置く台もあるんですよ」とサッと台を取り出すショールームスタッフ。
「海外ドラマを見ていたら、もうお風呂から上がれないですね!」
そんな会話に笑いが起こり、とても和やかな雰囲気に包まれました。
タカラスタンダードの「GRANSPA」は、浴槽と床を自由に選択できるシステムバス。
床材が一般的なものよりも目地の幅が広いので、床掃除しやすいという特徴があります。
製品のパネルを見ながら材質や色を決めているところです。
製品の色の組み合わせをモニターでシミュレーションできるので、完成時のイメージが湧きやすくなります。
和やかな雰囲気の中、ショールームでの選定は終了しました。
弊社では、ショールーム見学にコーディネータースタッフが同行しています。
施主様だけで行かれても問題はないのですが、弊社スタッフが同行することで床の色やタイルとのバランス、細かい寸法についてお話ししながら進めることができます。
料金についてのアドバイスもその場でできるので、見積もりが大幅にオーバーすることがありません。
実は弊社スタッフも、施主様と一緒にワクワクしながら製品選びをお手伝いしています。
blogged by 黒川京子
2024年4月11日 3:16 PM |
カテゴリー:( 1. お知らせ ) |
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今回よりお届けするのは「伏見御香宮の古民家リノベーション『蔵』」。
ご依頼のお宅は、湧水で有名な伏見御香宮や大手筋商店街にほど近い場所にあります。
伏見はまだまだ立派な町家が残る土地。
街を歩けば、古く美しい町家が多く見られます。
月桂冠の大倉記念館や坂本龍馬が襲撃されたことで名高い寺田屋など、歴史的な建造物にも出会えます。
施主様ご夫妻は、優しいご主人と弾けるように明るい奥様。お二人ともこの伏見のご出身です。
ヴォーリズ建築がお好きで、近江八幡市内に現存するヴォーリズ建築を見に行かれるほどだとか。
今回のご依頼の町家は、もともと奥様のご実家の数件先の並び。
改装されていますが、建てられたのは戦前です。
「高校生の頃、実家は友達から忍者屋敷って呼ばれていたんですよ」と奥様。
「なぜですか?」驚いてお聞きすると、建物正面に町家らしい格子があり、それが忍者屋敷を思わせたとか。
外観も内部も30年ほど前に改装され、忍者屋敷を思わせる格子はもうありません。
今回のリノベーションで「蔵」をテーマにした町家らしい外観に生まれ変わる予定です。
奥様はリノベーションをするにあたり、1年以上前から弊社ホームページとインスタを見ておられたそうです。
「もともと町家が好きだったんです。昔、町家をお昼どころに改修したお店で少し働いていたことがあって和風でいいなあと思っていたんです。終の住処ということで、自分の好きなものに囲まれて住みたいという気持ちが大きくなったんですよ」
「周りの家はどんどん現代風のお家になっていったけれど、歴史的な街並みの伏見が好きだから、自分の家を直すなら町家風の家にと思っていたんです」
今回のプランでは2棟の内、ご両親が住まわれていた1軒を弊社が町家風にリノベーション。
もう1軒は新築して息子さんご家族が住まわれる計画です。
「孫が3月に生まれるんです。体力が持つのかなあと心配!」
そうおっしゃいながらも、とても楽しみなご様子です。
どんな町家に変わっていくのでしょうか、少しずつ様子をお伝えしたいと思います。
blogged by 黒川京子
2024年4月3日 3:27 PM |
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暑い夏の盛りに解体が始まった
京都東山区の『山手の街並みに佇む町家リノベーション』。
少し時間が空いてしまいましたが工事は順調に進み、いよいよ完成が近づいています。
前回までのお話はこちら→
vol.1
vol.2
vol.3
vol.4
vol.5
広報担当者が初めて現場を訪れた際には、まだサッシ戸がついていた玄関。
サッシは取り外され、木製戸がつけられました。
1階と2階の窓には格子がつけられ、
壁の色と合わせた色調に変わり、町家らしい風情に。
これだけで印象がガラリと変化します。
土間には、落ち着いた色の左官仕上げ材である墨モルタルを流し込みました。
まだやわらかいうちに飾りタイルを埋め込んで、可愛らしい表情に。乾くとまた違った趣になります。
さて、これまでまだお伝えしていなかった改装ポイントが「ガレージ」です。
建物に向かって右の、もともと物置だった部分。
こちらをガレージにしたいという施主様のご希望です。
しかしもともとの間口が狭く、軽自動車でも入らないというスペース上の問題がありました。
弊社にてこのスペースに入る車種を調査したところ、超コンパクトカーなら入ると判明。
打ち合わせの時にご連絡し、ご納得いただいた上で施工に至りました。
見切り発車でガレージを作ってしまうと後々に大変なことになってしまいます。
しっかりと計画してからお客様にご提案し、お伝えすることが大切だと考えています。
物置のアルミ戸を撤去し、垂れ壁も取り除き、門構えのガレージが完成です。
ガレージ部の屋根には、和風の雰囲気をもたらす横葺きの金属屋根をつけました。
こちらのガレージは、明るく風通しも良く、出入りしやすい場所です。
施主様がお年を召されてゆくゆく介護などが必要になった際には、改修してお部屋にすることも可能です。
その時のことを考え、ガレージの横にトイレを再配置しています。
まだまだお元気な施主様ですが、弊社では住まわれる方のライフスタイルを見据えたプランのご提案を心がけています。
前回vol.5 ご紹介した、構造用合板で柱と柱、柱と梁をつなぎ「耐力壁」を入れた部分です。
耐力壁の上に断熱材を入れ、壁を仕上げました。
その後にシステムキッチンが入り、いよいよ完成の形に近づいています。
最初の回vol.1 でお伝えした工事前のキッチンの様子です。
築100年ほどになるこの住宅。
昭和の改装で天井が閉じられていましたが、
工事で天井を落としてみると、通り庭上部の火袋と高窓が現れました。
今回のリノベーションでご提案したのは、この高窓を生かして光を取り入れるプランです。
火袋の空間を生かしているので天井も高くなり、広々と感じられます。
施主様奥様は小さい頃、この家にお住まいでした。きっとその大切な思い出も、この火袋とともに続いていくことでしょう。
裏庭から見た高窓はこのような状態でした。
ペアガラスを入れ窓枠も塗装し直し、手間をかけて仕上げたことで、味わいが出たのではないでしょうか。
完成間近で、大工の仕上げも急ピッチで進んでいます。
完成編をお待ちください!
blogged by 松山一磨 & 黒川京子
2024年3月1日 3:59 PM |
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