『 最近の記事 』
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下鴨の古民家、続編 VOL.3【完成編】です。
(※以前のブログはコチラ→ VOL.1・ VOL.2)
ベランダから送り火「妙」が見える家のリフォーム後をご覧頂きます。
中庭に面したリビングに、楠(くす)の無垢材カウンターを造作し、
すべての工事が完了しました。
(after)楠 無垢材カウンター その1
(after)楠 無垢材カウンター その2
(after)楠 無垢材カウンター その3
楠(くす)は、とても木目が美しい木材です。
ナチュラルな風合いに拘(こだわ)り、
植物性のオイルで仕上げました。
(after)玄関内部
(after)玄関フローリング
玄関床には、フランス製の波形加工された松フローリングを採用。
格子天井は朱色。
和紙と京都伝統の唐紙 で、市松(いちまつ)模様に貼り上げました。
(after)玄関 朱の格子天井
天井の唐紙と照明器具の相性はいかがでしょうか?
プランナーが苦労して探し出した逸品です!?
(after)レトロ照明に反射する、唐紙の黄金色
このリノベーションには、3つの大きな造り付け収納を造作しています。
その1つ目は、
玄関土間、正面の土間収納です。
二方向から出入りが可能な回遊式になっています。
(after)玄関土間収納の入口アーチ
棚は、全て可動式になっています。
(after)玄関土間収納の棚
(after)玄関土間収納
和室は既存のスタイルを残し、
お客様のイメージに合わせてデザインを刷新しました。
(after)一階和室
奥に深い広いLDK。
細長い空間が間延びしたり、無駄な空間が発生しないように、
奥様主導で、ゾーンニング(間取り設定)していきました。
(after)リビングスペース
リビング奥の空間は、おそらく過去の増築のなごりだと思われますが、
勾配天井になっています。
天井を垂木(たるき)風にでデザイニングし、
テラスガラス戸上に無垢板の幕板(まくいた)を取付けました。
これは、エアコン取り付け位置にもなります。
(after)リビング中庭側 天井&デザイン垂木
(after)キッチンスペースと縦格子
2つ目の収納は、
階段横の使いづらいスペースを活かしたキッチン収納庫です。
建具はオリジナルデザインの木製3枚引戸。
また、造り付けステンレス天板のキッチンカウンターに設けた「カウンター裏収納」、
そして、階段裏の段差を利用した「レンジ台+収納棚」
(after)3枚引戸の食器棚
(after)階段裏収納・レンジ台カウンター
(after)カウンター前面のモザイクタイルの飾り棚
(after)キッチン のモザイクタイル&レトロ照明
和室との間仕切り建具は、はんなりと。
薄い赤模様の唐紙で仕上げました。
(after)唐紙仕上げの建具
リビング奥のアーチは、中庭奥の離れへと続きます。
鈴蘭(すずらん)型のレトロ照明の下、ちょっぴりワクワク感を胸に進んでいきます!?
(after)夜の離れ廊下 アーチ正面
離れは、2つに分かれていたお部屋を1つの空間にリフォームしました。
書斎部分ともう一方の空間は、2枚の収納引込戸で分離できるようになっています。
常は広く、時には使用目的に合わせて仕切れる構造です。
(after)書斎の本棚&デスク
(after)唐紙建具&ロフト梯子
書斎上部はロフトに。
もう一つの空間は、吹き抜けに。
窓側は、隣家いっぱいに建っていた部分を減築し、
ウッドデッキのテラスを造作しました。
(after)吹きぬけとロフト
柱の並びが、以前の外壁が有った位置。
(after)ウッドデッキのテラス新設
3つ目の収納は、
和室のウォークインクローゼットです。
入口アーチのある一面にアート感覚な洋風の蔓草(つるくさ)模様のクロスを採用。
6帖サイズの内部には、
設置するものに合わせて、計画的に棚やハンガーパイプを設置しています。
(after)二階 和室横ウォークインクローゼット
奥様がお洋服を確認できるように、
正面の収納扉はミラーになっています。
(after)和室横ウォークインクローゼットの入口アーチ
とても大きな工事で、工期も長く、
その間の打合せは、
ほぼ全て奥様お一人で対応してくださいました。
とても大変な大仕事であったと思います。
お忙しい合間を縫って、
常に工事優先でのご対応をして頂けましたことを心からお礼申し上げます。
また、終始暖かいお心で、工事の進捗を見守り、必要な時には、
何をおいてもご協力してくださいましたご主人様に、この場をお借りして、
深くお礼申し上げます。
誠に有り難う御座いました。
そして、お疲れさまでした。
新居での初めてのお正月が、素晴らしいものでありますように。
※こちらの『下鴨の古民家』 は、弊社のホームページの
『 ピックアップ施工事例 Before&After 』にて、工事前と完成の様子を
詳しく確認することが可能です。
よろしければ、合わせてご覧ください。
『 ピックアップ施工例 』
(→ コチラ http://www.ginyusya.com/pickup/detail_11.html)
Blogged by 小川 還
( 監修 : 松山 一磨)
2014年12月11日 12:53 PM |
カテゴリー:下鴨の古民家 VOL.3 |
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本日は、築50年以上を経た一軒家の 続報2回目です。
(※初回のブログはコチラ→ VOL.1)
伏見稲荷大社にほど近い、青空につつまれた
レトロな住宅街よりお届けします。
(before)工事中外観と門
下宿として増築された広い二階のある古民家。
増築されるよりもっと以前、おそらくこの家の建築時に造られたと思われる、
京町家を象徴するような杉板と漆喰(しっくい)のコンパクトで
カワイイ歌舞伎門が残っています。
修復箇所の点検と解体作業を同時進行で始めました。
最初に、門の点検からご覧ください。
(before)修復箇所01 門
下宿する学生さん達も出入りした玄関周辺は、
門とお揃いの、屋根や照明のデザインが特徴です。
(before)修復箇所02 玄関
玄関を入ってすぐ正面に造られた学生さん専用の超急勾配!?の
階段を撤去し、飾り梁や木製手摺を造作。
二階窓から光が入る、吹き抜けのある町家スタイルの玄関にしました。
(before → after)玄関の吹き抜け
すぐ下では、左官職人による、石飾りの土間づくりが進行しています。
アート系のお施主様ご夫婦のギャラリーとして、作品やアート、小物などを
飾って楽しんでいただける広い玄関スペースの誕生です。
(before → after)玄関土間 ギャラリースペース
この玄関スペースの掃き出し窓(はきだしまど)に隣接させて、
ぬれ縁(えん)を造作。
庭からお客様を呼び入れたり、座っておしゃべりを楽しめる
昔ながらの憩(いこ)いスペースを造りました。
これは、お施主様からの強いご希望です。
(after)玄関スペース ぬれ縁
玄関入口には、土間から邸内へ昇り降りしやすいように式台を造作。
下には靴を入れる空間を確保しています。
乱雑に靴が並ぶことを避けるための弊社の標準仕様です。
玄関正面の壁には、おもてなしのアートとして、
唐草模様を版木で刷(す)った唐紙(からかみ)を貼り、
天井は、色違いの和紙を市松模様に貼った格天井(ごうてんじょう)に仕上げました。
(after)玄関土間から邸内を見る
さぁ続いて、今回の改装のテーマの 『 Lスタイル空間 』 をご案内します。
改修前の一階は「DK空間」と「和の座敷空間」が
壁と階段で遮断され、ぐるっと回って廊下を通って行き来するという
何とも不便な造りになっていました。
これは、和座敷を特別な場所として重んじる昔ながらの間取り設定に
由来するものだと思われます。
まず、この遮断している壁を解体撤去しました。
次に、明るい南庭に面した、家事動線から外れていて
一番静かな場所にある小さな座敷を広縁とまとめて一部屋にし、
ご家族がゆったりと集える<リビング空間>に設定。
そのリビングとDKの間にある、畳敷きの和室は残しました。
▶ <リビング空間>
▶ <和の座敷空間>
▶ <DK空間>
通常は、この三つの空間が、ちょうど英字のLの形(スタイル)で、
一つの大空間を形成しますが、
その三つの空間を、天井高の引込戸でそれぞれの個別の空間として
間仕切ることができる設計です。
この三つが一つにまとまって、『 LスタイルのLDK空間 』を造っています。
『 LスタイルのLDK空間 』 は、段差の無いバリアフリー(Barrier free)の床で
すべての居室と繋(つな)がっており、
「行き止まりのない回遊式の動線 」を実現しています。
・Lスタイルへ変身!
各部屋を回遊式にぐるぐると移動でき、家事の動きに無駄がないため、
家事や移動の効率もアップ、幼いお子様にも目が届き易くなっています。
南北の庭からの風通しも良くなりました。
こういった大胆な間取りの変更ができるのも、
柱で家を支える日本古来の「在来軸組(ざいらいじくぐみ)工法」で建つ
町家の大きな魅力のひとつかもしれません。
(before → after)行き止まり解消へ!回遊式の Lスタイル
玄関正面のアンティーク建具の出入口から、<リビング空間> へどうぞ。
このアンティーク建具は、この家にあったものをリメイクして再利用しています!
(after)Lスタイルをぐるり 01 リビング〜和の座敷
南面のコーナーには、ご主人様専用の大工造りのデスクを製作。
南庭への開口には、スーパーワイドのテラス窓を採用し、
ふんだんに太陽の光と風が取り入れられるように設計されています。
リビングの北面には、アンティークの2枚建具の収納および
床の間をアレンジしたデザインのテレビコーナーを造作。
煤竹(すすたけ)とカーブを描いた漆喰(しっくい)調の垂れ壁は
隣接する和室の床の間とつり合うよう、町家をイメージしたものです。
(after)オリジナルのデスクと煤竹と漆喰調の垂れ壁
そして、『 LスタイルのLDK空間 』の要所は、各部屋の間仕切り!
壁面収納式の背が高い引戸によって、
建具を開け放ち、普段はL字スタイルの一つの大空間として使用。
建具を閉めれば、個別の部屋が確保できるようになっています。
日常は広々と、また自由に仕切っても使える、フリースタイルのLDK空間です。
暮らしてみたら、いろんな生活スタイルの発見があるのではないでしょうか…?
(after)壁面収納の間仕切り建具01 リビング〜和の座敷
(after)壁面収納の間仕切り建具02 和の座敷〜DK空間
<リビング空間>から、隣りの<和の座敷空間>へどうぞ。
当初から存在する和室は、日本伝統の格式あるスタイルがなじみます。
壁面には珪藻土のクロス、床の間には和紙のクロスを施工。
表面のお化粧だけをリメイクし、デザインはそのままに
往時の姿を蘇(よみがえ)らせました。
(after)Lスタイルをぐるり 02 和の座敷〜DK空間
では、<和室の座敷空間>から、<DK空間>へどうぞ。
L字型の最後のしめくくりは、
水回り( 洗面所・浴室・WC )とガレージへ繋(つな)がる
ダイニング・キッチン(つまりDK空間)です。
(after)ダイニング・キッチン全景(=DK空間)
『 生活しやすい快適な空間造り 』 を目標に、
水回り全部(洗面所・浴室・WC)およびエントランス (玄関と通用口)の
生活動線を、すべて<DK空間>に直結させました。
家事動線は短く、効率良く!
奥様はもちろん、ご家族全員が、無駄なエネルギーを使わず、
楽に暮らせる生活動線を計画し設計しています。
家具もまた、オーダーメイドで造り付けることにより、
デッドスペースが無く能率も良い収納スペースを確保することが可能です。
(after)キッチンのカウンター
キッチンには、レトロ感が溢(あふ)れるモザイクタイルの
対面キッチンカウンターと収納バックカウンターを造作。
天板は、熱と汚れに強いステンレスです。
カウンターのキッチン側には、2列の調味料棚を製作。
小さいながらも、思った以上に有れば便利で嬉しい装備です!
収納バックカウンター内には、コンセントを設(もう)け、
棚はスライド式となっています。
勿論、無駄なスペースが発生しないように、お手持ちの
器具サイズに合わせて造作。
全て、現場の大工造りです!
対面キッチンカウンターに向って立てば、後ろに
冷蔵庫・収納バックカウンター・収納家具(食器棚)が一列に並びます。
では現場の大工造りの、収納家具(食器棚)をご覧ください。
(after)キッチンの収納家具(食器棚)
エアコン位置として、この収納家具の上部が最良なため、
エアコン取付用下地と一緒に造作しました。
既製品の家具では、上手く納まらない部分です。
扉の取手は、輸入雑貨のお店で購入したもので、弊社の在庫が最後となる逸品です!?
オリジナル家具ならではの、お楽しみです!
(after)愛車が見えるダイニング
キッチンやダイニングから、車をご覧になれるプランニング。
「家で、室内から愛車を眺めながら、寛(くつろ)ぎたい。」
というのが、ご主人様からのご要望でした。
そこで、浴室・洗面所・WC を解体撤去し、後ろに下げることでその空間を確保。
せっかくですので、
愛車をご覧になるための窓や建具を木で製作させて頂きました。
ガレージ内の壁面にも無垢の杉板を施工し、癒しある空間に。
ちなみにこの杉板壁の塗装は、ご主人様と弊社スタッフでの D・I・Y 施工です!!
ガレージ内部のコーナーには、車やその他の外回り品を洗うための
流し台スペースも造りました。
屋内ガレージですので、天候を気にすることなく、
作業スペースとしても活用できる空間です。
また、このガレージはDKに直結していますので、お買物の荷物を
楽にキッチンへ取り込むことが可能です。
(after)水回り01 洗面室&お風呂場
続いて、水回りへどうぞ。
<DK 空間> 直結の、水回り(洗面室・浴室・ WC)です。
ダイニング・キッチンから伸びる北庭への廊下に
洗面室・浴室・WC 、の順で配置設計。
廊下出入口には、大正期から昭和初期の町家で実際に使われていた
アンティーク建具をリメイクして設置しています。
この家の持つ町家イメージとピッタリと寄り添い、違和感なく納まってくれました!
WCに施工したホワイト色の花柄模様 (下、中央2枚の写真参照) のクロスは、
奥様からの支給品です。
このクロスの美しい花柄模様を引き立たせるため、他の三方のクロスは、
同系のホワイト無地のクロスを施工させて頂きました。
(after)水回り02 WC
最後に、二階について簡単にご紹介します。
断熱ペアガラスのサッシ窓への取り替えがメインの工事です。
以前、下宿部屋として増築され多くの部屋を有する二階フロアー。
全部で5部屋あります。
各窓には、以前の下宿増築工事の時のものだと思われる、
鉄製の窓建具が入っていました。
重く、動きも悪くなっており、断熱面でも問題があったので
全て交換。
窓さえ直せば、各部屋は普通に使用が可能ですし、
施主様自身のD・I ・Y 施工でのリフォームも可能な状態です。
南側の古い鉄製のバルコニーは、このブログ撮影後に施主様が塗装をされ、
弊社大工の一人と共に、床と屋根の工事をされてリフォームが完成しています!!
玄関の下宿生用の階段を撤去し造った、玄関吹き抜けの上部には、
木製格子の手摺を造作。二階から玄関を見下ろすことが可能です。
幼児が登れないよう、縦格子とし幾分高いめに設定しました。
・二階リフォーム部分について
今回のリノベーションには、
塗装を中心に、施主であるご主人様に工事に参加していただきました。
勿論弊社スタッフのレクチャー(Lecture)付き!?です。
D・I・Y のススメ!?(寸法採寸/家具塗装)
作業のほとんどが経験の無いことで大変だったと思いますが、
終始、にこやかに、気持ち良く参加してくださったご主人様には、
この場をお借りしまして、あらためて御礼申し上げます。
ご協力、本当に有り難う御座いました m(_ _)m
そして、誠にお疲れさまで御座いました。
〜伏見の光景をどうぞ〜
次回VOL.3では、完成写真をお届けいたします。
とりわけ、大きくイメージの変わった町家スタイルの外観を
ご覧頂きたいと思っております!!
ここまでおつきあいいただき、ありがとうございました。
Blogged by 小川 還
( 監修 : 松山 一磨)
2014年11月27日 12:55 AM |
カテゴリー:Lスタイル VOL.2 |
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『下鴨の古民家』の続報 VOL.2 をお伝えします。
(※初回ブログは → コチラ)
(after)ベランダからの景色
送り火の「妙」の字の山が見えるベランダが
完成いたしました。
中庭を見下ろす位置にあるベランダです。
同時に、屋根の葺替えも行いました。
(after)ベランダ/葺替えた屋根
この部分の屋根は瓦ではなく、ガルバリウム鋼板を採用しています。
軽く、従来の鉄板材とは違い耐久性にも優れています。
では、玄関から見てまいりましょう。
(工事中)新調された玄関戸
新調された玄関格子戸と欄間です。
これから塗装し、ガラスを入れて完成です。
玄関を入ると、すぐにアーチ形の開口部があります。
新設の土間収納です。
(工事中)玄関土間/土間収納のアーチ形開口部
左官職人が土間仕上げをする前に、設計デザイン担当者が、
(before)石の床飾りを考案中
石を選び、床飾りのパターンを実際に作っていました。
那智黒石を花びら状に並べています!
(工事中)アーチ型の開口部より内部を見る
アーチ形の向こうには、木工事担当の大工職人さんが二人。
この土間収納は、数人の大人が入れる広々設計としました。
2方向に入口があり、行き止まりのない回遊式の動線になっています。
では、もう1つの、階段脇の開口部から内部をご覧ください。
(after)階段脇の開口部/完成した那智黒石の床飾り
玄関天井は、華やかな格子天井に造り変えています。
元々あった来客用トイレと手洗いスペースは完全に撤去し、
明かりと風を取り入れるための大きな窓を新設しました。
(工事中)玄関天井に唐紙を施工中
(工事中)窓新設で玄関を明るく!
さあ、玄関横の和室へお進みください。
縁側との間仕切りを撤去して和室の一部に取り込み、
そのぶんだけ隣のLDK(主にリビング)の面積を広げています。
縁側だった部分は勾配天井を活かし、網代(あじろ)のクロスでデザインしました。
また、小さな拘(こだわ)りとして…
すぐ隣のLDKのリビングスペースに新設した、観音開きの物入れの建具の高さを、
和室内にある既存の床の間の開口高と合わせています。
このような設計により、言葉では説明できない、感情的な安定感を
生み出せるのではないかと考えております。
(工事中)縁側を撤去、和室の一部に変更
(工事中)既存の床の間と、新設した観音開きの物入れ
LDKのキッチンスペースには、食事もできるキッチンカウンターを
新しく製作し、リビングとキッチンの間に設置。
両方から利用できる便利なカウンターです。
カウンター天板はステンレス、デザインのポイントとして側面の棚に
モザイクタイルを埋め込んでいます。
(工事中)キッチンカウンター 製作中/設置予定場所の壁面
(工事中)キッチンカウンター 固定
リビング側から見た、キッチン正面全景をどうぞ。
私たちスタッフのお気に入りの場所(見せ場)の1つです。
モザイクタイルとアンティークイメージのカウンター、そして、
オーバル(oval:卵形や楕円形)のペンダントに、
シンボルとも言える…木目を強調させた大きな柱。
(工事中)キッチン正面全景
キッチン正面右側は、斜板をはずし、敢(あ)えて凸凹が見える
ようにした階段の裏側です。
デザイン的に楽しめるよう、従来のクロス仕上げではなく、
裏側全体を無垢材(むくざい)で造作し直しました。
下部は、レンジ台と収納になっています。
(工事中)階段下収納
この階段手前の、ぽっかり空いたスペースには、天井まである超大型の食器棚を
新しく造作しました。 扉は3枚引戸ですので、大きく開けることが可能です。
またこの建具、デザインにも力を入れています。
完成をお楽しみに!!
(工事中)キッチン食器棚 製作中
キッチン正面左側(すぐ上の写真の左奥)には、
洗面&洗濯室への開口部があります。
こちらも回遊式の動線にリフォームし、キッチンとリビングの2方向から
出入りが可能になりました。
洗面&洗濯室の奥に見えているのは、浴室です。
(工事中)キッチンカウンター横から、洗面&洗濯室を見る
洗面&洗濯室の内部へどうぞ。
左には天井まである収納棚を造作し、右には大型洗面台と洗濯機置き場を。
これでもう、『お母さ〜ん、パンツは?』という声に悩まされることはない…かも!?
(工事中)洗面&洗濯室。左:収納棚/右:洗面台と洗濯機置き場
リビングスペースは、中庭側の既存の屋根勾配の天井に
新しく無垢の垂木(むく の たるき)をデザインし、
ナチュラル感あふれる空間を演出しました。
(工事中)リビングスペース。中庭側のテラス窓と天井
リビングから離れへと続く通路入口は、アーチ形の開口部にリフォーム。
通路の途中には、前より広くなったトイレがあります。
このトイレ、以前は、リビングから出入りする配置となっていましたが、
今回のリフォームで、離れへの渡り廊下から入れるように設計変更しました。
扉の多くは、大正~昭和初期に製作されたアンティークの建具を採用しています。
(工事中)リビングから離れへの通路を見る
(工事中)エアコンのダクトケース、フタを外したところ
じつはこのアーチ壁、デザインのためだけのものではなく、
エアコンのダクトケースにもなっています。
テラスサッシ上部に設置されるエアコンのダクトやドレイン配管を隠し、
スッキリさせるためです。
アーチを通り、離れへ進みます。
(工事中)離れ。ロフトのある書斎正面/オーダーメイドの本棚と机
(工事中)ロフト側(書斎の上部)/吹きぬけ側
離れの2部屋は天井を撤去し、一方をロフト付きに、
もう一方を吹きぬけに改造しました。
(after)吹きぬけには天井扇を設置
吹き抜けの高い天井
また、吹きぬけ側に、テラス窓(掃き出し窓)を新設。
隣家までいっぱいいっぱいに建っていた外壁を、半間(90cm)後退させ、
その空間にウッドデッキを敷き詰めました。
ちょっと面白い空間になっています。
子供たちが大好きになりそうな場所…が出来たかもしれません!?
隣家との目線を遮るため、微妙な高さ(?)のアルミの通風フェンスを設置しました。
(工事中)ウッドデッキのテラス
さて、二階の和室は、縁側と床の間・押入れを撤去して、大きな空間を造り、
収納棚が3列ある大容量のウォークインクローゼット(→ 約6畳の広さ)を
新設しています。
珪藻土のクロスを採用し、教室として多人数が使用されていた以前とは違う、
ほっとする雰囲気を目指しました。
(工事中)二階の和室、板床部分
(工事中)二階の和室、畳部分/ウォークインクローゼット
(工事中)ウォークインクローゼット内部/3列の収納棚
(工事中)棚板は可動式になっています。
夕暮れ後に、各室に照明器具を取付けてまわりました。
中庭が見えるリビングの窓辺です。
(工事中)リビング窓辺の照明
私たちが目標とする『 新しいのに古く懐かしいデザイン 』に
相応しく(ふさわしく)ありますでしょうか!? いかがでしょう?
このあと、塗装と最後の仕上げに入ります。
腕によりをかけて、塗装職人と大工職人が
木工作業に奮闘いたします。
ご期待ください!!
ここまでおつきあいいただき、ありがとうございました。
m(_ _)m
Blogged by 小川 還
( 監修 : 松山 一磨)
2014年8月23日 2:06 PM |
カテゴリー:下鴨の古民家 VOL.2 |
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(after)洋のリビング ・吹き抜け
杉皮塀のある町家、完成編【 後半 】をお届けいたします。
※過去ブログへ → VOL.1・ VOL.2・VOL.3・ VOL.4・ VOL.5)
写真は、キッチンから見た洋のリビング。
(after)玄関内周り
天井を撤去し、屋根に天窓を造作しました。
吹き抜けにすることで、大きな梁や柱、勾配の屋根裏が見え、
変化に富んだ空間が創り出されました。
そして天窓からの光がさらにその変化に彩(いろどり)を添えてくれます。
このお屋敷ならではの美しさが際だったように思われます。
(after)吹き抜け 〜02〜
夕暮れの陽光が、天窓から吹き抜けへ差し込み、
様々な梁影を映し出し、退屈しません。
ちなみに上部の丸太の梁は、以前から有った古いもの。
下に見える角材の梁は、デザインと補強を兼ねて造作した新しいものです。
見た目には、どちらも元々有った古い梁に見えますが・・・。
(after)両開き窓を引戸に改造
リビングスペースの両開き窓は、
新しく外格子を取付け、そのまま引戸にリフォームしました!!
既存の開き窓の建具に溝加工を施し、納めています。
(after)アンティーク戸
室内各所に大正から昭和初期製造のアンティーク扉を設(しつら)えました。
扉の向こうは、和のリビングスペースです。
(after)和のリビングスペース
変色がなく、肌触りの優しい和紙の市松畳
オリジナルの京唐紙(からかみ)
新規造作のコンパクトでかわいい書院
個性豊かな和のリビングスペースの完成です。
(after)隠れ家的な書斎
押入の隣には、奥様の強いご要望であったミニマムな書院が完成しました!!
幼いお子様の様子を見ながらササッとメールを書いたり、本を読んだりと・・・
隠れ家のような空間で、作業にも集中できそうです。
(after)京唐紙(からかみ)の襖
襖(ふすま)は、伝統ある京唐紙(からかみ)へ貼り変えました。
柄(がら)はもちろん、紙色、紙質まで選んで、昔ながらの版木を使っての職人の手で作られる京唐紙です。
一点しか存在しない本物の逸品です!!
(after)新しい階段
さあ、二階へどうぞ。
階段は傾斜を緩(ゆる)くし、お子様が登りやすいように
段数を増やしています。
手摺(てすり)も大工造作で製作したオリジナルです。
(after)2階の洗面 〜01〜
町家イメージの洗面台の完成です!!
右のアンティーク戸(二階トイレ入口)とのバランスを考え、
この家の風格に合う、”渋さ”のあるデザインに。
陶器製の洗面ボウルが載(の)る天板は、一見(いっけん)、木の板に見えますが、
水の変色や腐れを考慮して、木肌色の陶器タイルを採用しています。
(after)2階の洗面 〜02〜
(after)2階の洗面 〜03〜
照明・鏡・陶器製洗面ボール・タイルなどは、
『 大正期の町家の 趣(おもむ)き 』を表現するように、
設計デザイン担当者が現場で実際の色や風合いを確認して選んだものです。
(after)和室の押入棚
一階和室の押入。
ここは二つあった階段の一つを撤去して収納にリフォームしたもの。
施主様のご要望をお聞きして、従来の中段のみの押入でなく、
洋服ダンス代わりにも使えるように
可動式の棚やネクタイハンガー、ズボンハンガー、パイプハンガーを設置しました。
(after)ウッドデッキバルコニー 〜01〜
一階キッチンの屋根上に空中庭園さながら!? 広いウッドデッキバルコニーを新設しました!!
正面にある目隠しの塀は、手前と奥に縦板を交互に並べて造作した
菖蒲張り(あやめばり)という和の木工仕上げです。
視線を遮(さえぎ)り、風を通します。
(after)ウッドデッキバルコニー 〜02〜
お子様が簡易プールに入って遊んだり、
外でちょっとした軽食をとったりできるように、
ここにもかわいいタイル仕上げの手洗い場を設置しました。
さて、最後のお掃除が済み、メンテナンスの日まで、
私達スタッフはこの家とお別れです!
築80年以上の風雅なお屋敷。
この家を引つ継がれた若きオーナー様のセンスと往時の細やかな
彫刻や加工が施された素敵なデザインのコラボレーション(融合)。
新たな80年間を超えて、また次に受け継がれていくことだと思います。
弊社の建築とデザインは、完全な復元ではありません。
残すべき良きものは残し、新しい部材が馴染むよう、
設計デザイン担当者と職人が奮闘した結果が、こちらのお屋敷です。
いかがでしょうか?
最後になりましたが、
ご信頼いただき、その多くを私たちにお任せくださった施主様に
心から深く、お礼を申し上げます。
誠に有り難うございました。
こちらの『杉皮塀のある町家』 は、弊社のホームページの
『 ピックアップ施工事例 Before&After 』にて、工事前と完成の様子を
詳しく確認することが可能です。
よろしければ、合わせてご覧ください。
『 ピックアップ施工例 』
(→ コチラ http://www.ginyusya.com/pickup/detail_08.html)
おつきあいいただき、ありがとうございました。
Blogged by 小川 還
( 監修 : 松山 一磨)
2014年3月16日 10:53 AM |
カテゴリー:杉皮塀のある町家 VOL.6 |
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〝光陰者百代之過客〟(李白)
〝月日は百代の過客にして、行かふ年もまた旅人なり〟(松尾芭蕉)
いつのまにか、
年賀状のお年玉ハガキ抽選も過ぎ…
長らく、お待たせいたしました!
ブログ更新、スピードアップしてまいります!
ここでしか見られない工事写真をメインにお届けします。
裏玄関(勝手口)完成間近
今回は、杉皮塀のある町家の続報です。
(※以前のブログはコチラ→ VOL.1・ VOL.2・ VOL.3)
だんだん、家の顔がはっきりとしてきました。
(before)玄関土間モザイクタイル
玄関土間では、左官職人がモザイクタイル飾りを施工中です。
小さなタイルは、塗った下地へ押し込んで埋め込みますが、
サイズが大きいと押し込む時に周りが崖のように盛り上がって
しまうため、今回はまずタイルを設計位置で固めてから、
下地を塗って仕上げます。
(before)天窓と梁の上の足場板
邸内には、塗装屋さんとクロス貼り屋さん。
高い所に足場を組み、職人さんがテキパキ働く姿には
いつも見とれてしまいます。
この時点で、内装の木部の塗装が終わりました。
いよいよクロス(壁紙)貼りです。
(before)クロスを貼る前にも色彩チェック!
リフォーム前のキッチンでは、
クロス裏面に糊を付ける機械が稼働し、
貼る前の準備作業が進行中…
(before)パテで壁面補修中の洋室
クロスを貼る前に、壁の穴やへこみはひとつひとつ、
パテでなめらかに補修しております。
クロスが凸凹せず、しゅっとした仕上がりになるんです!
(before)増えた階段
上の階へ移動いたしましょう。
まだ緑色のテープで止めた薄板のカバー付きですが、
上り下りしやすくなった新しい階段です。
畳半分ほどスペースを広げて2段分増やし、
角度がぐっとゆるやかになりました。
手すりも弊社設計の、木製オーダー品です。
(before)旧 既存の洗面台
2階では、もとからあった現代的な洗面台を取り外し、
設計デザイン担当者が、現状をしっかりと最終確認。
町家の魅力をアップさせるため、新しい洗面台製作が始まります。
(before)洗面台設置場所&トイレの扉
横のトイレスペースの扉は、アンティーク扉に交換しました。
もちろん、トイレ内もリフォーム済みです。
…チラッとご覧ください。
(before)アンティーク扉のアップ
アンティーク扉は、鍵まで木製で使えるものを選んでおります。
それに合わせ、トイレ背面の壁紙も模様入りの茶色に。
(before)ウッドデッキバルコニー工事中
お隣の2階の洗濯干場では、大窓についていた
鉄の手すりを一部カットし、出入口としました。
大工職人が、屋根の上に続くバルコニーを造っています。
洗濯干場、そして、お子様も遊べる安全な第2の庭として…
風と日射しが心地よく、気持ちの良い場所です。
(before)ウッドデッキバルコニーの目隠し製作
数時間で、デッキ土台から目隠しの柱まで完成しました。
ここに縦板を取付け、前後にずらした板の間を風が通る
和の「菖蒲張り(あやめばり)」で仕上げる予定です。
夏のバーベキューや夕涼みに、お子様のプール遊びに、
きっと充実した空間となることでしょう。
次回は、いよいよ完成編となります。
本日はここまでおつきあいいただき、ありがとうございました。
Blogged by 小川 還
( 監修 : 松山 一磨)
2014年1月26日 6:49 PM |
カテゴリー:杉皮塀のある町家 VOL.4 |
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