『 最近の記事 』

京都市東山区 『山手の街並みに佇む町家リノベーション』 vol.6

暑い夏の盛りに解体が始まった
京都東山区の『山手の街並みに佇む町家リノベーション』

少し時間が空いてしまいましたが工事は順調に進み、いよいよ完成が近づいています。

前回までのお話はこちら→ vol.1 vol.2 vol.3 vol.4 vol.5

広報担当者が初めて現場を訪れた際には、まだサッシ戸がついていた玄関。

サッシは取り外され、木製戸がつけられました。

1階と2階の窓には格子がつけられ、
壁の色と合わせた色調に変わり、町家らしい風情に。

これだけで印象がガラリと変化します。

土間には、落ち着いた色の左官仕上げ材である墨モルタルを流し込みました。

まだやわらかいうちに飾りタイルを埋め込んで、可愛らしい表情に。乾くとまた違った趣になります。

さて、これまでまだお伝えしていなかった改装ポイントが「ガレージ」です。
建物に向かって右の、もともと物置だった部分。

こちらをガレージにしたいという施主様のご希望です。

しかしもともとの間口が狭く、軽自動車でも入らないというスペース上の問題がありました。 弊社にてこのスペースに入る車種を調査したところ、超コンパクトカーなら入ると判明。
打ち合わせの時にご連絡し、ご納得いただいた上で施工に至りました。

見切り発車でガレージを作ってしまうと後々に大変なことになってしまいます。 しっかりと計画してからお客様にご提案し、お伝えすることが大切だと考えています。

物置のアルミ戸を撤去し、垂れ壁も取り除き、門構えのガレージが完成です。
ガレージ部の屋根には、和風の雰囲気をもたらす横葺きの金属屋根をつけました。

こちらのガレージは、明るく風通しも良く、出入りしやすい場所です。
施主様がお年を召されてゆくゆく介護などが必要になった際には、改修してお部屋にすることも可能です。

その時のことを考え、ガレージの横にトイレを再配置しています。

まだまだお元気な施主様ですが、弊社では住まわれる方のライフスタイルを見据えたプランのご提案を心がけています。

前回vol.5 ご紹介した、構造用合板で柱と柱、柱と梁をつなぎ「耐力壁」を入れた部分です。

耐力壁の上に断熱材を入れ、壁を仕上げました。
その後にシステムキッチンが入り、いよいよ完成の形に近づいています。

最初の回vol.1 でお伝えした工事前のキッチンの様子です。

築100年ほどになるこの住宅。
昭和の改装で天井が閉じられていましたが、
工事で天井を落としてみると、通り庭上部の火袋と高窓が現れました。

今回のリノベーションでご提案したのは、この高窓を生かして光を取り入れるプランです。

火袋の空間を生かしているので天井も高くなり、広々と感じられます。

施主様奥様は小さい頃、この家にお住まいでした。きっとその大切な思い出も、この火袋とともに続いていくことでしょう。

裏庭から見た高窓はこのような状態でした。

ペアガラスを入れ窓枠も塗装し直し、手間をかけて仕上げたことで、味わいが出たのではないでしょうか。

完成間近で、大工の仕上げも急ピッチで進んでいます。

完成編をお待ちください!

blogged by 松山一磨 & 黒川京子

京都市東山区 『山手の街並みに佇む町家リノベーション』 vol.4

京都東山区の『山手の街並みに佇む町家リノベーション』。続報をお届けします。

前回までのお話はこちら→vol.1 vol.2 vol.3

弊社スタッフ、施主様ご夫妻とともに京都御池にあるタカラスタンダードショールームを訪れました。

ここは、キッチンや浴室などに設置する製品が展示されているショールーム。専属アドバイザーによる説明もあり、製品を見たり触れたりすることで、使用感を確かめることができます。

弊社はサイズ感やデザイン面の視点から、施主様の製品選びをお手伝いをします。

施主様は、シックな木調デザインのシステムキッチン、浴室暖房や乾燥機など機能が充実したホーローのタカラスタンドード製の浴室を選ばれました。

新しく生まれ変わる家に、これらの製品が実際に設置された様子が早く見てみたい!とワクワクした広報担当者です。

ショールームを後にした一行。

施主様とともに現場へと向かい、工事の様子を見て回りました。

最初の回(vol.1)で前回お伝えしたキッチンの上部です。

閉じられていた天井を開けると… 往時を偲ばせる、通り庭上部の火袋と高窓が現れました!

こちらは、改修前のキッチン。吹き抜け部分が閉じられていたので、ずいぶん印象が異なります。

子どもの頃この家にお住まいだった、施主である奥様。

「あの高窓、あるのは覚えてました。途中で天井を閉じたんです。古い家だから、家の中は何回も直してたんですよ」

施主様宅のように、昔ながらの町家はその後の改修で天井を閉じてしまうことが多々あります。

今回のリノベーションでは、隠されていたこの火袋を復元し、窓ガラスはペアガラスに交換することで光も取り入れます。

元々の火袋を復元することで、町家独特の天井の低さを解消した広々とした空間が出来上がることでしょう。

解体したことで、壁や柱などこれまで見えていなかったところがあらわになっています。

「すごいな、こんなんでよう建ってたな、ボロボロやわ」とご主人。

ここに補修を加えながら、耐久性もデザイン性も優れた家へと生まれ変わらせるのが吟優舎の仕事。気合いが入ります。

「子どもの頃の思い出が詰まってるから…懐かしいわ」と家中を見つめる奥様。

「きれいになるのが楽しみですね」とお声をかけると「本当にね」と頷かれました。

一体どんな家に生まれ変わるのでしょうか。広報担当者もとても楽しみです。

blogged by 黒川京子

京都市東山区 『山手の街並みに佇む町家リノベーション』 vol.2

弊社所長と広報担当者、真夏のある日、解体工事現場にやってきました。 今年はとにかく猛暑。少し動くだけでも汗がダラダラ流れるような中、職人たちが解体作業を頑張っています。

ほぼ柱と壁だけになった室内。家の構造がよくわかります。

両サイドには窓がなく、玄関付近に立つと奥の裏庭の景色が目に飛び込んできます。

前回お伝えしたように、もともとは町家の形をしていたこの家。室内には窓がないので、どうしても暗めになってしまうのが町家の特徴です。

そこで今回のリフォームポイントのひとつが「庭に面した窓を景観の中心に据えること」。

窓に面した柱を抜いて、できるだけ窓を広く開口し1枚もののペアガラスを採用します。建具は引き込み式にすることで、最大限に光を取り入れる計画です。

「よく旅館などでお部屋に入ると、部屋は陰影があるけれど庭が明るく見えて素晴らしいですよね。その感動をこちらで再現しようと思うんです」と弊社所長。

玄関を入った時にお庭がパッと目に飛び込んできて、この家の一番のビューポイントになるに違いありません。

そう話しているうちに、職人たちの手作業でバスタブが取り除かれていました。

「お風呂が寒いのは嫌」とおっしゃっていた施主様。新しいバスルームは、断熱材で全体が覆われたシスバスに200Vの浴室暖房器を設置したホーローのタカラスタンダード製。お手入れも楽々です。

また、横長窓が付く予定ですので、裏庭を見ながらのバスタイムがお楽しみいただけることでしょう。

ここでちょっとクイズです。

一体これは何でしょう?

答えは、超強力なエアコン!

工事現場はとても暑いので、頑張る職人たちのために、このように吟優舎のエアコンと冷蔵庫を現場に差し入れしています。

暑い中での作業、ご苦労様です。

blogged by 松山一磨 & 黒川京子