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京都市北区『出格子の町家』に改修 VOL.5

さて京都市北区町家改修、いよいよ化粧(仕上げ)に入っていきます。

建築工事は、大きく二つの部分に分類することできるかもしれません。

1つは、構造躯体(くたい)、いわゆるフレームとなる部分です。 これは間取りに大きく影響しますし、また建物自体の強度、安全性に大きく影響する部分です。

もう1つは、化粧(けしょう)と私たち建築専門家は表現するのですが、つまり仕上げ、いわゆるデザインとなる見栄え(みばえ)に関する部分です。 これは、人で例えるなら、『どんな衣服を着て行こうか?』 『どんな靴を履こうか?』 『どんな髪型が、この服に合うかな?』 『どんな鞄(かばん)が、良いかな?』 という感じの事柄にあたります。

構造躯体(くたい)は、地震が頻発に発生する昨今では、最重要課題です。 しかしながら近年、これを軽視して“手抜き”または“素人的技量、不勉強”と言っても過言でない施工で終わらせているケースを見聞きすることが増えてきているように感じています。 とりわけ新築と違って、公的検査のないリフォーム工事では、より多く見受けられます。

もう1つの化粧・デザインですが、これはどうでしょうか?

私の主観になりますが、多くの建築会社は、このデザインを『軽視』しているのか、はたまた『苦手』なように感じられてなりません。 化粧・デザインは、毎日の生活の中で常に目に付く部分です。 バランスが良く、美しい色彩や形は、見る人の精神にストレートに良い影響を与えてくれます。

弊社では、この化粧・デザインは、専門家のプランナーが設計・ご提案します。

これは、専門家でないと無理な部分だと思っています。 お客様のご要望をヒヤリング(お聞き)して、専門のプランナー、ある意味デザイナーが、設計するという方式でプランニングを行います。

弊社では、構造躯体(くたい)と化粧・デザインは、自転車の前後の両輪だと認識しています。 いずれが欠けても前には進みません。 デザインのために安全性を犠牲にすることは有り得ませんし、また安全性のためにデザインを犠牲にすることも有り得ません。

『構造躯体(くたい)の安全性』と『化粧・デザインの美しさ』が揃っていることが、プランニングの条件だと考えています。 はずかしながら、弊社の施工した建築が全てその二つ、とりわけ『化粧・デザイン』において、そうなっているかと言われれば、そうではないかもしれません。 ただ、そうなくてはいけないという思いでプランニングをしていることに、偽(いつわ)りはありません。

ちょっと堅苦しい話しになってしまいました!

では、以下はその『化粧・デザイン』の施工途中の映像です!!

 

アプローチの御影(みかげ)石の施工。この御影石、お客様とご一緒に現物を見学して選んだものです。『色』『石肌』『サイズ』にとことんこだわりました。

 

6月2日のブログにありますが、祇園の出格子を全て見て回った結果に製作した出格子建具です!!美しい仕上りだと自画自賛の私達です!?

 

玄関建具は、太さの異なった縦格子をランダムに並べたデザインにすりガラスをはめ込みました。この縦格子が『かまぼこ型』に加工してあるのがお分かりいただけるでしょうか?

 

土間にコンクリートを打つ前にデザインの石を埋め込みます。ご提案した2つのデザインからお客様が選ばれたのがこのデザインです。

 

天井の木組枠です。この中に『市松』デザインで異なった色の和紙調クロスを貼っていきます。結構手間のかかる作業なのです・・・!!

 

Blogged by  松山 一磨(いつま)