『 最近の記事 』

京都市上京区西陣 京町家リノベーション『雅』vol.1

伝統的な文化とともに、古い町並みが残る上京区西陣。

この町に佇む、歴史ある京町家のリノベーションを承りました。

こちらの京町家は築100年以上。

京都市の制度によって平成14年に「歴史的意匠建造物」、そして今年には「歴史的風致形成建造物」の指定を受けた、由緒ある一軒です。

長年この町家にお住まいの施主様。

受け継いだ京都の町家を残したいという思い。そしてその空間を生かしたリノベーションのプランを何年も前から大切に温めてこられたそうです。

「京都らしい町並みがなくなっていくのは本当に残念。海外の人にも、もっと普段の京町家を体験してもらいたいんです。そこで町家の風情を生かしながら最新の設備を取り入れてリノベーションし、日本はもちろん海外の方に遊びに来てもらえるような場所を作ろうと思いました」

その長年の思いが、「観光・食事・鑑賞」が楽しめるプライベート空間『あそんでいきなはれKYOTOの原点だと仰います。

「まず重要なのが、リノベーションです。お任せする工務店は、この思いをわかってもらえる方でないととずっと思っていました」

「歴史的風致形成建造物の指定を受けた町家には、リノベーションの規制があるんです。だから工事もいろいろ難しい。ある工務店には『よう触らん(工事できない)』と言われたこともあります」

そのため、工務店選びには長年かけてこられたのだとか。

吟優舎にご依頼くださったのは大変光栄なことです。

今回のリノベーションは「普段の京町家でお食事やお座敷遊びが体験できる贅沢で優雅な施設」がテーマです。

「お店に来てもらうというよりも、お家に遊びにおいでよという気持ちを込めているんですよ」

京町家本来の佇まいを大切にしながら、新たな空間として生まれ変わらせる。
大変重要な任務を承りました。

少しずつこちらの様子をお届けしていきます。
どうぞよろしくお願いいたします。

blogged by 黒川京子

京都市東山区 『山手の街並みに佇む町家リノベーション』 お引き渡し編

京都東山区の『山手の街並みに佇む町家リノベーション』。

前回までのお話はこちら→ vol.1 vol.2 vol.3 vol.4 vol.5 vol.6 vol.7

番外編 新しい仲間 でお伝えしたよ うに、専門業者さんによる造園が完了し、無事にお引き渡しの日を迎えることができました。

奥の間からの景色は、すっかり印象が変わって随分と広く感じられるようになりました。

造園作業中には、庭の土が粘土質のため、水が溜まって引かないというトラブルが。

予想外の事態でしたが、地表の水を流すために地下にパイプを埋設して水はけの改善をし、完成を迎えることができました。

もともとのお庭にあった灯籠は、石の水鉢とともに設置。

また、施主様が選ばれた紅梅の枝垂れ梅やミヤコワスレが植えられ、風情が感じられます。

庭は町家リノベーションにおいて、とても大切な空間です。

吟優舎では、庭を囲むように居間、浴室、洗面室、お手洗いを配置し、光と風を取り込むプランをご提案しています。

浴室の窓は、お風呂に浸かりながらお庭が眺められるように限界いっぱいまで下げています。

施主様も
「窓から庭を眺めながら入るのが楽しみです」とおっしゃっていました。

こちらは建物正面です。

改修前、アルミサッシが嵌められていた窓には、出格子が付いて京町家らしい印象に生まれ変わりました。

正面の建具は、落ち着きのある色合いに塗装することで、全体に統一感を出しています。

汚れにくくなるメリットもあります。

庭の完成をもって、京都市東山区『山手の街並みに佇む町家リノベーション』のお引き渡しとなりました。


施主様からは
「希望していた以上に良い家に仕上がり、隅々までこだわって作ってもらい、吟優舎さんにお願いして良かったです」という大変有難いお言葉をいただきました。



至らないことが多々あったにも関わらず、終始ご協力的な姿勢で対応して頂けましたことに心より深く御礼申し上げます。


誠に有り難うございました。



blogged by 松山一磨 & 黒川京子

新しい仲間

新たな仲間が増えました。

造園をご一緒にする新しい業者さんです。
私たち工務店にとって、業者さんは社員と同じくらい大切な存在です。

こちらの言う通りに作業をしてもらうというものではなく、その専門の経験と知識をお借りしながら共に作業を進め、より良いものを作るいわばチームの一員です。

ふじせんの藤井さんです。

とても素敵な笑顔です。

京都市東山区 『山手の街並みに佇む町家リノベーション』
最後の工事がこの造園です。

この家にとって正に『画竜点睛』となる工事です。
お引き渡しの日が近づいています。

blogged by 松山一磨

京都市東山区 『山手の街並みに佇む町家リノベーション』
以前の記事はこちらよりどうぞ→ vol.1 vol.2 vol.3 vol.4 vol.5 vol.6

お客様のお声<京都市左京区 O様>

お客様が、ご依頼の経緯や施工の感想をお書きくださいました。

「お客様の声」として、こちらにご紹介いたします。

【京都市左京区 0様より】

コロナ禍が始まった2020年春、京都の街に町家ゲストハウスの売物件が沢山出ていることに気づき、私もこんな別宅があったらいいなと夢見ながらネットで何軒か古家を探しはじめると同時に、素敵な町家を検索していたところ吟優舎さんに行き当たりました。
ふと、ある古家について相談したく吟優舎さんにメールを送ったところ松山さんから迅速に返事をいただきその対応の良さにここにお願いしようとすぐに決める事ができました。

松山さんの良いところは(笑) 当方は素人で漠然としたイメ-ジしか伝える事しかできないのですがそれを受け止めてさらに上の提案を次々と勧めて頂けた事です。そして実際に小さな古家のリノベ-ションをして頂いたところ当方の想像以上の仕事をして頂けました。

大阪と京都の2拠点生活に確信が持てた一昨年、定年後の事を考えて車庫付きの物件があったらいいなぁとネットを見ていたら気になる1軒に当たりました。ただ今度は前と違ってフルスケルトンにするリノベ-ションが必要で改修費用が想定できず躊躇しましたが、松山さんに相談して“吟優舎さんに仕事を受けていただけて、予算が想定内だったら購入しよう”と決心しました。そして松山さんには内見に同行していただき、建物の状態を綿密に調査してもらい、上記2条件が可能と回答いただけたのでその場で購入を決めました。

私も建築にかかわる仕事をしているのでよくわかるのですが、一番心配なのが手を抜かれることです。ましてや工務店がそれを主導したら目も当てられません。 その点吟優舎さんに仕事をお願いすることができて、8カ月にわたる大工事も安心して過ごすことができました。(この安心というのは非常に大切だとつくづく思いました)
実際、完成最終チェック時に松山さんが何箇所もやり直しの指示を出されていて、そこまでしなくてもと恐縮すると同時にやっぱり吟優舎さんにお任せしてよかったと改めて思ったものでした。

吟優舎のスタッフのみなさんも松山イズムが浸透していて、とにかく対応が丁寧で何時も気持ちの良い応対をいただきました。
皆様本当にありがとうございました。

大切なお家のリノベーションを任せてくださり、さらにはこのようなメッセージをくださいますこと、大変嬉しく、また大きな励みになります。

身に余る内容に大変恐縮し、工務店冥利に尽きるばかりだと感激しております。心より深くお礼を申し上げます。

お客様に感動していただくことを目標に、今後も社員全員で日々の仕事を大切にしてまいります。 誠にありがとうございます。

blogged by 松山一磨 & 黒川京子

伏見御香宮 古民家リノベーション『蔵』vol.3

現在工事中の「伏見御香宮の古民家リノベーション」、続報です。

前回までのお話はこちら→vol.1vol.2

この日は、解体工事を始めるにあたり、ご近所へご挨拶に伺います。

弊社でこのような挨拶文と粗品をご用意します。
施主様もお品を用意されています。

スケジュールを確認中。
その後、施主様と弊社女性スタッフでいざスタート。

ご近所のお家を一軒一軒ご挨拶に回ります。

工事が始まることをお伝えすると、「いよいよ始まるんですか、楽しみですね」とご近所の皆様。
日頃からの仲の良さ、ご近所付き合いの深さが伺えます。
とてもお話上手で明るい奥様のお人柄も大きいかもしれません。

中には、吟優舎の住所を見て「北白川?懐かしいわ。私は小さい頃、よくあの辺りで遊んだのよ」とおっしゃる方も。

ご挨拶回りも無事に終わり、お家の中の片付けも順調に進んでいます。
いよいよ解体工事が始まります。

blogged by 黒川京子