京都市北区『出格子の町家』に改修 VOL.4
床下の補強を行いました。前回のブログでお伝えしたように、この年代の伝統工法で建築された家は基礎がなく、床から上の構造に比べて床下の構造が弱いケースが多く見受けられます。前回ブログで解体後の床下の状況がご確認いただけますが、こちらも例外ではありませんでした。今回はその改修 補強に『根がらみ工法』を採用しました。『根がらみ工法』とは、床下で独立して存在する柱を厚みのある木材で繋(つな)ぐというものです。金物はビスでなく、柱や梁の連結に使う頑強なコーチスクリューボルトを採用しています。次に下が腐食した柱は、腐食部分を除去して新たに柱を根接ぎしました。この際、下からの水に干渉しないように、その柱の下に小さな独立基礎を作り、上げています。
また、下がり傾いていた勝手口庇屋根は、その根元を胴と言われる構造材に繋ぎ補強した上で、ジャッキアップ(文字通り ジャッキで上げて柱を入れ直す作業)を行いました。
ただ単に綺麗にするという工事でなく、町家の工事ではこのような補強補修工事がとても重要なポイントとなります。
Blogged by 松山 一磨(いつま)
2012年9月5日 11:05 AM | カテゴリー:出格子町家 VOL.4 | コメント(0)