京都市上京区西陣 京町家リノベーション『雅』vol.2
上京区西陣、築100年以上の歴史がある京町家リノベーション『雅』、続報です。 (前回のお話はこちらvol.1)
「本当の京都を、日本だけでなく海外の方にも知ってもらいたい。実際に生活している京町家の空間を楽しんでもらいたいんです」。
そう仰る施主様。
長年の思いを観光・食事・鑑賞が楽しめるプライベート空間『あそんでいきなはれKYOTO』として形にするため、解体工事が始まりました。
床が取り払われ、中が見渡せる状態になりました。
立派な京町家ですのでとても奥に長く、京町家ならではの「鰻の寝床」の形状がよく分かります。
建物の両サイドに窓がないのは、京町家の特徴のひとつです。
床下の束石(つかいし)を設置しているところです。
束石とは、建築の床束(ゆかづか)を支えるための石材であり、建物の基礎部分に配置される重要な要素です。
掘り炬燵(ごたつ)だったと思われる跡のまわりに、束石を設置していきます。
束石は、地面の湿気から柱を守る役割も果たしています。
水回りの基礎施工部分です。
解体してみると既存の基礎の状態があまり良くなかったため、新たにコンクリートブロックによる補強を行いました。
町家リノベーションでは補強が欠かせません。
担当大工と弊社所長が部分ごとに状況を見て判断し、適切な補強を行っています。
解体が終わり、本格的に木工事が始まります。
ここからどんどん変化していくことでしょう。
ふと見上げると、廊下の庇(ひさし)に蝉の抜け殻がひとつ、くっついていました。
家の内側と外側(庭)との距離が近く、自然と共生する京町家ならではの風景に心が和んだ筆者です。
blogged by 黒川京子
2024年9月5日 5:29 PM | カテゴリー:( 1. お知らせ ) | コメント(0)