『 最近の記事 』
京都東山区の『山手の街並みに佇む町家リノベーション』。
いよいよ完成編をお届けします。
前回までのお話はこちら→
vol.1
vol.2
vol.3
vol.4
vol.5
vol.6
築90年以上も経つ古い町家が、リノベーションによって町家らしい姿に生まれ変わりました。
ぜひご覧ください。
昭和の改装で増築しサッシなどが取り付けられた、リノベーション前の町家。
そしてリノベーション後はこちらです。
木製格子がついてガレージも新たになり、色調も統一され落ち着いた印象に変化しました。
新しいのに時代はむしろさかのぼったような、そんな雰囲気が感じられるのではないでしょうか?
では中をご案内いたします。
改修前の玄関の様子です。ごく一般的な古民家のものでした。
そして新しくなった玄関は…
玄関の土間に墨モルタルを流し込み飾りタイルを入れることで、モダンさも可愛らしさもある表情に変化しました。
飾りタイルの玄関土間は、帰ってきた時にどこかホッとするようなぬくもりがあります。
なぐり調の式台も味わいがあります。
夏には裸足で歩けば、木の質感を存分に感じられてとても心地よいことでしょう。
アンティーク風のペンダントライトが、優しく玄関を照らします。
このライトがあることで、可愛らしさがぐんと引き立つと思いませんか?
玄関の横は小さな洋室になっています。
和室と洋室の間に採用したのは、磨き上げられたアンティーク建具。
古いものを手入れして使うと、新しいものにはない味わい深い雰囲気の決め手となります。
前回お伝えしたように、トイレは玄関横のこちらに再設定しました。
まだまだお元気な施主様ですが、10年後のご年齢や生活スタイルを想定し、ご提案させていただきました。
新たに整えたガレージから、室内を見たところです。
車だけでなく電動自転車用も置けるようになっています。そのためのコンセントも設置いたしました。
アンティーク建具を開けると、和室そしてLDKへとつながっています。
京町家らしい奥に長い間取りが、現代の暮らしへと生かされています。
和室の襖は京唐紙に張り替えました。
京唐紙の面白い点は、何と言っても紙の色とインクの色でお家の雰囲気をガラリと変えるところ。
こちらのお宅は紙もインクも落ち着いた色調をお選びになったので、シックモダンな雰囲気に仕上がっています。
vol.4の回で、施主様が京都御池タカラスタンダードショールームで選ばれたシステムキッチンです。
家電収納棚や柱の色など全体的な色調とよくマッチしています。キッチンの壁面にはモザイクタイルも貼られ、すっきりとした風情にまとまっています。
このLDKにはテーブルと椅子、ソファとテレビを置かれる予定です。
キッチンの奥に洗面、お風呂と続きます。
水回りが一直線で続いているので、家事などの面でとても便利ではないでしょうか。
何度かお伝えした、キッチンの天井です。
「元々の火袋を復元することで、町家独特の天井の低さを解消した広々とした空間を作る」という今回のプラン。
吹き抜けにすることで開放感があり、また高窓から光も取り入れられるようになりました。和風のライトも雰囲気を高めています。
こちらはお風呂の窓を縁側から見たところ。
浴槽に浸かった時にお庭が見えるよう、窓の位置を微調整しています。
弊社では、こういった細かい配慮も欠かせないと考えています。
新しいお風呂も設置されました。こちらでゆったりとバスタイムを楽しまれることでしょう。
建物は完成したとお伝えしましたが、お庭の方は未完成でこれから造園作業に入ります。お庭が完成した際には、改めてこちらでお伝えする予定です。
最後になりましたが、暑い時期から寒い冬まで何度も打ち合わせに足をお運びくださった施主様。
大工に差し入れなど多くのお心遣いをいただき、厚く御礼申し上げます。
「希望していた以上に良い家に仕上がった」とお喜びの言葉までいただき、スタッフ一同とても嬉しく感じております。
心より深くお礼申し上げます。誠に有難う御座いました。
blogged by 松山一磨 & 黒川京子
2024年3月7日 11:02 AM |
カテゴリー:( 1. お知らせ ) |
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暑い夏の盛りに解体が始まった
京都東山区の『山手の街並みに佇む町家リノベーション』。
少し時間が空いてしまいましたが工事は順調に進み、いよいよ完成が近づいています。
前回までのお話はこちら→
vol.1
vol.2
vol.3
vol.4
vol.5
広報担当者が初めて現場を訪れた際には、まだサッシ戸がついていた玄関。
サッシは取り外され、木製戸がつけられました。
1階と2階の窓には格子がつけられ、
壁の色と合わせた色調に変わり、町家らしい風情に。
これだけで印象がガラリと変化します。
土間には、落ち着いた色の左官仕上げ材である墨モルタルを流し込みました。
まだやわらかいうちに飾りタイルを埋め込んで、可愛らしい表情に。乾くとまた違った趣になります。
さて、これまでまだお伝えしていなかった改装ポイントが「ガレージ」です。
建物に向かって右の、もともと物置だった部分。
こちらをガレージにしたいという施主様のご希望です。
しかしもともとの間口が狭く、軽自動車でも入らないというスペース上の問題がありました。
弊社にてこのスペースに入る車種を調査したところ、超コンパクトカーなら入ると判明。
打ち合わせの時にご連絡し、ご納得いただいた上で施工に至りました。
見切り発車でガレージを作ってしまうと後々に大変なことになってしまいます。
しっかりと計画してからお客様にご提案し、お伝えすることが大切だと考えています。
物置のアルミ戸を撤去し、垂れ壁も取り除き、門構えのガレージが完成です。
ガレージ部の屋根には、和風の雰囲気をもたらす横葺きの金属屋根をつけました。
こちらのガレージは、明るく風通しも良く、出入りしやすい場所です。
施主様がお年を召されてゆくゆく介護などが必要になった際には、改修してお部屋にすることも可能です。
その時のことを考え、ガレージの横にトイレを再配置しています。
まだまだお元気な施主様ですが、弊社では住まわれる方のライフスタイルを見据えたプランのご提案を心がけています。
前回vol.5 ご紹介した、構造用合板で柱と柱、柱と梁をつなぎ「耐力壁」を入れた部分です。
耐力壁の上に断熱材を入れ、壁を仕上げました。
その後にシステムキッチンが入り、いよいよ完成の形に近づいています。
最初の回vol.1 でお伝えした工事前のキッチンの様子です。
築100年ほどになるこの住宅。
昭和の改装で天井が閉じられていましたが、
工事で天井を落としてみると、通り庭上部の火袋と高窓が現れました。
今回のリノベーションでご提案したのは、この高窓を生かして光を取り入れるプランです。
火袋の空間を生かしているので天井も高くなり、広々と感じられます。
施主様奥様は小さい頃、この家にお住まいでした。きっとその大切な思い出も、この火袋とともに続いていくことでしょう。
裏庭から見た高窓はこのような状態でした。
ペアガラスを入れ窓枠も塗装し直し、手間をかけて仕上げたことで、味わいが出たのではないでしょうか。
完成間近で、大工の仕上げも急ピッチで進んでいます。
完成編をお待ちください!
blogged by 松山一磨 & 黒川京子
2024年3月1日 3:59 PM |
カテゴリー:( 1. お知らせ ) |
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弊社所長と広報担当者、真夏のある日、解体工事現場にやってきました。
今年はとにかく猛暑。少し動くだけでも汗がダラダラ流れるような中、職人たちが解体作業を頑張っています。
ほぼ柱と壁だけになった室内。家の構造がよくわかります。
両サイドには窓がなく、玄関付近に立つと奥の裏庭の景色が目に飛び込んできます。
前回お伝えしたように、もともとは町家の形をしていたこの家。室内には窓がないので、どうしても暗めになってしまうのが町家の特徴です。
そこで今回のリフォームポイントのひとつが「庭に面した窓を景観の中心に据えること」。
窓に面した柱を抜いて、できるだけ窓を広く開口し1枚もののペアガラスを採用します。建具は引き込み式にすることで、最大限に光を取り入れる計画です。
「よく旅館などでお部屋に入ると、部屋は陰影があるけれど庭が明るく見えて素晴らしいですよね。その感動をこちらで再現しようと思うんです」と弊社所長。
玄関を入った時にお庭がパッと目に飛び込んできて、この家の一番のビューポイントになるに違いありません。
そう話しているうちに、職人たちの手作業でバスタブが取り除かれていました。
「お風呂が寒いのは嫌」とおっしゃっていた施主様。新しいバスルームは、断熱材で全体が覆われたシスバスに200Vの浴室暖房器を設置したホーローのタカラスタンダード製。お手入れも楽々です。
また、横長窓が付く予定ですので、裏庭を見ながらのバスタイムがお楽しみいただけることでしょう。
ここでちょっとクイズです。
一体これは何でしょう?
答えは、超強力なエアコン!
工事現場はとても暑いので、頑張る職人たちのために、このように吟優舎のエアコンと冷蔵庫を現場に差し入れしています。
暑い中での作業、ご苦労様です。
blogged by 松山一磨 & 黒川京子
2023年10月6日 3:33 PM |
カテゴリー:( 1. お知らせ ) |
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【※写真をクリックすると、大きく見やすくなります】
(before)工事前
伏見稲荷にほど近い町家での 続報3回目【完成編】です。
(※以前のブログはコチラ→ VOL.1・ VOL.2)
工事前の様子(最初の写真)からの外観の変化をどうぞ。
(after)家外観01
(after)家外観02
門・玄関は、お揃いの瓦屋根と漆喰(しっくい)の白壁を再生。
(after)門周辺。ヒビや割れ欠けを補修。アルミ戸は木製の格子戸に変更。
(after)玄関外観。物置だった建築当初の旧玄関口を復活。木製格子戸と土間石飾りにて演出しました。
広い玄関内部は、アートに造詣の深いお施主様ご夫婦のギャラリーです。
(after)広い玄関内部
(after)正面壁紙は蛸唐草文様の京唐紙。(見やすいよう、この写真のみ暗く加工済み)
(after)格子天井。ギャラリーは控えめな配色に。
撤去した階段跡は吹き抜けにし、ギャラリーへの採光を確保。
(after)英文字のLの形をした展示スペースの白壁。これから、どんな風に飾られてゆくのでしょうか?!
(after)吹き抜け&飾り梁。二階に新設した木製手すりから見下ろすとこんな具合です。
では、『 Lスタイルの空間 』へ!
一見すると大空間のLDK 、じつは…
下の3つの空間(①~③)が合体した、段差の無いバリアフリーの
英字のLの形(スタイル)からなっているのです。
①…南向きの明るい<リビング空間>
(after)<リビング空間> 隣室の床の間を意識してデザインした白いアーチの小空間。
(after)<リビング空間> 書斎スペース。本物のアンティーク扉の隣に、大工造りのデスクを造作。
(after)<リビング空間>の勾配屋根。旧広縁の屋根を、飾り母屋とクロスで仕上げました。
②…格式の高い<和の座敷空間>
(after)間仕切り建具を閉めた状態。昔ながらの床の間を修復・再生しました。
(after)<和の座敷空間> 京唐紙仕上げの天袋の引戸。
(after)京唐紙仕上げの間仕切り建具。天井まである背が高い3枚引戸で、完全に開放できます。
(after)➁<和の座敷空間>と➀<リビング空間>との、間仕切り建具を開放すれば広々。
③…L字のしめくくり<DK空間>
水回り(風呂場・トイレ等)とガレージに直結しており、
家事の基地?でもあります。
(after)<DK空間>ダイニング。無垢フローリングとモザイクタイルで演出。<和のお座敷空間>との間にも、京唐紙の3枚戸が隠されています。
(after)対面式キッチンには、大容量の補助カウンターも設置。
(after)間仕切り建具を開放した大空間LDK! L字形に合体した<和のお座敷空間>と<リビング空間>と<DK空間>。
そして、<DK空間>のもうひとつの特徴は、
「車と一緒にくつろげるスペース」があること。
(after)ご家族で過ごすテーブルから、ガレージの愛車を眺めてお楽しみいただけます!
(after)ガレージ側の右奥には、棚と流し台スペースを設置。さまざまな用途に使っていただけそうです。
(after)ガレージの格子天井。玄関と同じ格子天井ですが、こちらは木目を活かした仕上げに。
これにて工事完了です!
お施主様ご夫婦には今回、木部の塗装を中心にご活躍いただきました。
邸内の面積が広いこともあり、想像以上に大変な作業です。
本当におつかれさまでした。そして、工事期間中は
さまざまお気遣いいただき、誠にありがとうございました!
スタッフ一同より、心から御礼申し上げます。
・再び、玄関とぬれ縁へ。お邪魔しました!
※こちらの『Lスタイル-LDKの町家』 は、弊社のホームページの
『 ピックアップ施工事例 Before&After 』にて、工事前と完成の様子を
詳しく確認することが可能です。
よろしければ、合わせてご覧ください。
『 ピックアップ施工例 』
(→ コチラ http://www.ginyusya.com/pickup/detail_10.html)
Blogged by 小川 還
( 監修 : 松山 一磨)
2015年1月31日 2:39 PM |
カテゴリー:Lスタイル VOL.3 |
コメント(0)
【写真をクリックすると、大きく見やすくなります】
・吟優舎 北白川事務所 改装編 第八弾!
あけまして おめでとうございます!
2015年(平成27年)、
本年もどうぞ よろしくお願い申し上げます。
(after)事務所と看板
左京区北白川事務所の続報【完成編】をお届け致します。
こちらから以前の状況がご覧いただけます。
→(Vol.1) →(Vol.2) →(Vol.3)
→(Vol.4) →(Vol.5) →(Vol.6)
→(Vol.7)
では、ぐるりとご覧ください。
(after)玄関前アプローチ
中に入り、こちらの京唐紙仕上げの間仕切り建具を開きますと…
(after)京唐紙仕上げ(蛸唐草文様)の建具
(after)事務室 資料コーナー
吟優舎事務室です。
本棚や木製カウンターは、弊社の大工造りで設置しました。
(after)事務室 窓辺。木製の窓も試験的に製造
(after)事務室 作業コーナー
机は一部が可動式で、作業内容に合わせた空間演出が可能です。
(after)キッチンカウンター。下部は本物のアンティーク本棚を使用
キッチンのカウンターは、無垢の天板とアンティーク本棚の
コラボレーションにて造り付けました。
対面にあるシンク下扉も、弊社プランナーがデザインした大工造りです。
(after)大工造りのシンク下扉には、レトロガラスを使用!
(after)シンクもモザイクタイルで、リフォーム済みです!
(after)シンクの横には、昭和アンティークのトイレ扉
(after)既存の浴室の風呂桶を取りはらい、トイレとシャワーブースにリフォーム!
手前がトイレ、ガラスタイルの向こう側にはシャワーブース。
最小限の広さですが、意外にも使い勝手は良いようです。
(after)本物のアンティーク引き戸
さて、アンティーク引き戸から、会議室へ。
来客をお迎えするメインルームでもあるため、
屋根の梁が見える吹き抜け空間を造り、京唐紙の大きなパネルで演出しました。
(after)会議室01 壁側
(after)会議室02 窓側
会議室03 扉側
(after)会議室04 吹き抜けとロフト
(after)会議室05 レトロ照明
会議室の窓のスクリーンを上げると、外は美しい緑の借景。
(after)会議室06 窓からの風景
ようやく完成です!
(after)事務所 完成外観01
(after)事務所 完成外観02
ところで、本日、なんと新たに
「屋外に、薪(まき)の収納棚を造りたい」
という、提案が出てまいりました。
完成しましたら、完成後の【番外編】として、
改めて皆様にご報告したいと考えております。
本年も、スタッフ一同、建築の美と快適さを追求してまいります。
皆様のお役にたてますことを祈りつつ…
ここまでおつきあいいただき、ありがとうございました。
Blogged by 小川 還
( 監修 : 松山 一磨)
2015年1月19日 10:01 PM |
カテゴリー:事務所 Vol.8 |
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