『 最近の記事 』

お客様のお声<長岡京市 Y様>

お客様が、ご依頼の経緯や施工の感想をお書きくださいましたので、ご紹介いたします。

【長岡京市 Y様より】

家の購入を検討している際に吟優舎のHPを発見。もともと町家の雰囲気が好きだったこともありますが、施工例を拝見し、そのテイストに一目ぼれしてしまいました。なにより安心だったのが統一感でした。リフォームを手掛けている工務店はたくさんありますが、「なんでもできますお任せください!」「お客様の御要望に応じて、和風・洋風なんでもできます!」というところがほとんど。でも吟優舎さんは、どの施工例を拝見しても吟優舎テイストというか、独特の空気感・統一感を感じることが出来ました。最終的な仕上がりのイメージがブレないという点で大変安心感があり、大正浪漫的町家を追及している吟優舎さんに全てお任せしたいと思いました。

ただ当時はまだ借家住まいだった為、まずは吟優舎さんにリノベーションしてもらうことを前提にした古家選びからのスタート。その事を松山さんにご相談したところ、なんと下見に一緒に来てくださり、リノベーションに適しているかの確認を親身になって検討してくださいました。

もうそこからはこちらのわがまま言いたい放題…(笑)わがままというか、家に対するあこがれ・イメージが具体的にものすごくたくさんあったので(アンティークの似合う大正浪漫あふれる家にしたい、キャットウォーク欲しい、あの床材・このタイル使ってほしい、こんなキッチンボードを制作して欲しい、リビングに縦格子造作・天井スピーカー欲しい、ねこのひなたぼっこ専用窓が欲しい、庭に面する給湯器の配置を見えにくい高さにしてほしい等々…)大小様々な要望をさせてもらいました。でも松山さんのすごいところは良い意味でこちらの要望を断る場合もあるところです。最終的な完成イメージにこだわりを持っていらっしゃる為、的確にアドバイスをくださり、納得して進めることができました。

打ち合わせの際のプランナーさんと松山さんの意見の食い違いによるバトル?もいつも楽しく拝見しておりました。そのバトルも、妥協することなく真摯に向き合ってくれている証拠なので大変嬉しかったです。

私も以前、建築関係に携わっていた事もあり、工事中の打ち合わせも楽しくさせて頂きました。専門用語も飛び交いながらミリ単位での仕様変更など、リノベーションならではの注文にも柔軟に対応してくださいました。

おかげさまで、家のどこを見渡してもこちらの想いが込められた素敵な住まいが完成しました。これから年月が経つにつれて、ただ古くなるのではなく、いい“味”が出てくるのが今からとても楽しみです。

関わった全ての方々に感謝しています。本当にありがとうございました。

Y様からのお声をご紹介しました。

大切なお家のリノベーションを任せてくださり、さらにはこのようなメッセージをくださいますこと、大変嬉しく、また大きな励みになります。

身に余る内容に大変恐縮し、工務店冥利に尽きるばかりだと感激しております。心より深くお礼を申し上げます。

お客様に感動していただくことを目標に、今後も社員全員で日々の仕事を大切にしてまいります。 誠にありがとうございます。

blogged by 松山一磨 & 黒川京子

京都市東山区 『山手の街並みに佇む町家リノベーション』 vol.1

今回からご紹介するのは、京都東山の住宅街に佇む一軒家。

施主様ご夫妻の奥様が、小さい頃に住まわれていたご実家です。奥様のご両親がお住まいだったこの家をリノベーションし、ご夫妻の終の住処にしたいというご要望を承りました。

「私の父が子どもの頃に建った家なんです。もう90年以上経っているのかな。せやから、どうなるのかなと不安もあるけど、きっと上手に直してくれはると思って」

穏やかに語る明るくおしゃれな奥様と、物静かで優しそうなご主人。ご夫妻のお好みをよくご存知の息子さんが、インターネットで弊社を見つけ、薦めてくださったといいます。

築90年以上にもなるこのお家は、いわゆる古民家といわれる物件。外から見ると波板にツタが這っていて、確かに年月を感じさせます。

しかし古い梁や建具を生かして再構成すれば、きっとべっぴんさんの素敵なお宅になる!と直感した弊社所長。施主様ご夫妻のお好みに合わせ、町家風デザインを生かしたリノベーションを施すことになりました。

実はこの家、何度かの改修を経て物置が増築されるなど外観が変化していますが、もともとは町家だったと思われます。

【京町家の定義とは?】
「通り庭」「火袋」「出格子」のいずれかがあることです。



「通り庭」とは、玄関から裏庭までまっすぐに通る土間のこと。昔は裏庭にいったん出てから、お風呂とお手洗いがありました。通り庭にはおくどさん(かまど)が置かれたため、炊事の火が燃え移らないよう天井が吹き抜けになっており、その空間を「火袋」と呼びました。

改修前のキッチンです。天井は吹き抜けではなく、閉じられてしまっています。

ちょっと裏庭へ出てみましょう。

2階の端につけられた、小さな窓。今は裏庭からしか確認できないこの窓は、火袋に取り付けられた高窓です。町家の火袋には、このように灯り取りのための窓が必ず付けられていました。これはまぎれもなく火袋があった証拠です。

そこで、キッチンの天井に吹き抜けを再現し、最大限に光を取り込むプランを立てました。明るいキッチンに生まれ変わるのが今から楽しみです。

また施主様がご高齢になった時のこともふまえて、今後も暮らしやすくする工夫を盛り込んだプランをご提案いたしました。

時を積み重ねた一軒家が、レトロモダンな京町家に生まれ変わる過程を少しずつご紹介していきます。

どうぞよろしくお願いいたします。

blogged by 黒川京子