『 最近の記事 』
After:リノベーション後の外観
六条通りにほど近い、100年以上の歴史を持つ京町家。
前回は完成編①として、ガレージや玄関まわりをご紹介しました。今回は庭に面したリビングやダイニングキッチンなど、住まいの中心となる部分をご紹介します。
前回までのお話はこちら→
vol.1
vol.2
vol.3
vol.4
vol.5
After:ダイニングキッチン
玄関から入るとすぐに広がるのが、ダイニングキッチン。
以前のキッチンは離れにあり、靴を履いて移動しなければならない不便さがありました。
今回のリノベーションでは、リビングと一体となるダイニングキッチンへと再構成。
家族が自然と集まり、ゆったりとした時間を楽しめる空間へと生まれ変わりました。
キッチンの造作カウンターも、「ただのカウンターではないものを」という施主様のご希望を反映し、なぐり加工を施した台の上にモザイクタイルをあしらい、デザイン性のある仕上がりに。
タイル選びのこだわり
施主様と吟優舎スタッフのLINEグループ会話
タイルは色の組み合わせひとつで、空間の雰囲気が大きく変化します。
施主様に4つのパターンをご提案し、お好みの色味を選んでいただきました。
こうした細やかなやり取りには、施主様と吟優舎のLINEが大いに役立っています。
完成したタイル部分
庭を生かした設計
Before:解体後の庭まわり
今回の設計で最も大切にしたのが、庭まわりの設計です。
After:完成後の庭まわり
町家ならではの美しい奥庭を最大限に生かすため、庭に面した窓から渡り廊下の出入口までを4枚ガラスとし、室内からも緑豊かな景色を存分に楽しめるよう設計しました。
広々としたリビングからは、四季折々の表情を見せる庭が一望でき、心地よい開放感に包まれます。
さらに、もともと庭の一部だった場所には、渡り廊下を設置。
ガラス窓を採用することで、冬の寒さを防ぎながら、年間を通して自然を身近に感じられる空間となりました。
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ご高齢のお母様のお部屋にも工夫を
廊下の奥は、ご高齢のお母様のお部屋です。
庭に面した大きな窓を設けることで、室内からゆっくりとお庭が眺められるようにしました。
吟優舎の町家リノベーションのこだわり
吟優舎のリノベーションでは、庭を設計の中心に据えています。
庭に面した和室(リビング)、浴室、御手洗いを庭に隣接した場所に配置し、どこからでも緑を感じられる住まいを目指しています。
可能な限り庭に面した広い開口を設け、光と風、そして庭の緑をたっぷりと取り込むことで、開放感あふれる心地よい空間を追求しています。
blogged by 黒川京子
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@ginyusya_official
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2025年4月16日 5:09 PM |
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京都市上京区西陣 京町家リノベーション『雅』vol.5
2002年(平成14年)に「歴史的意匠建造物」、2024年(令和6年)には「歴史的風致形成建造物」の指定を受けた、築100年を超える京町家リノベーション。
いよいよ、完成編(前編)をお届けします。
前回までのお話はこちら→
vol.1
vol.2
vol.3
vol.4
「観光・食事・鑑賞」が楽しめるプライベート空間 『あそんでいきなはれKYOTO』として新しく生まれ変わり、玄関横の壁には切文字看板もつけられました。
「おうちへ遊びにおいでよ」というコンセプトを京言葉で表現した店名。
そして施主様自らデザインされたロゴマーク(チューリップとAの文字をイメージ)が、切文字で表現されています。
チューリップの花言葉は「思いやり」、Aはアットホームを表し、アットホームなおもてなしができたらという施主様の思いが込められています。この切文字看板設置も、吟優舎でお手伝いさせていただきました。
BEFORE
AFTER
玄関扉を開ければ土間、その隣の部屋はダイニングキッチンへと再構成。
工事前は畳の四畳半だったため、ずいぶんと印象が変化しました。
建物の外観は趣のある京町家ですが、一旦扉を開けるとおもてなしにふさわしい華やかさが広がります。古さと新しさがマッチしているのではないでしょうか。
vol.4でお伝えした、アイランドキッチンです。
ふだんはご家族のキッチンとして使われていますが、おもてなしの際にはここがお客様との会話の中心に。時には、出張シェフが腕を振るうこともあります。
タイル貼り込み前
タイル貼り込み後
モダンなタイルが目を引くこちらの壁。
棚の板を先に組み込んでいるので、職人がタイルをカットし、繋がっているかのように丁寧に貼り込みました。職人ならではの技が生きています。
BEFORE
AFTER
AFTER
こちらが、ダイニングキッチンの全体です。
瀟酒なダイニングから奥へと視線が広がり、奥庭の緑がアイストップに。
立派なシャンデリアが輝く内装は、施主様のこだわりが結集した部分。全てを新しくするのではなく、残すべき良いものは残し、新しいものとなじむよう磨き上げてから再設置しています。
AFTER
ダイニングキッチンと座敷を分けるのは、 3枚引き戸の京唐紙の襖。その横には、晒竹(さらしたけ)のパーテーションを設置しました。
晒竹(さらしたけ)のパーテーションは、完全に目線を塞ぐのではなく、適度に目線を遮りながらも向こう側が見えるため、奥行きを感じさせることができるポイントとなっています。
ランダムに並ぶ節が美しく、オブジェのような存在感も併せ持ちます。
現代的なインテリアと違和感なく調和しているのではないでしょうか。
今回はここまでのご紹介とさせていただきます。
完成編(後編)をお待ちくださいませ。
blogged by 黒川京子
2025年1月8日 7:02 PM |
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下京区六条『大正ロマン数寄屋造りの町家リノベーション』 vol.4
日々変化する京都の街並みの中で、まだ昔ながらの京の面影を残す下京区六条。100年以上の歴史がある町家を、古き良きものを残しながらリノベーション。新たに生まれ変わった部分をご紹介していきます。
前回までのお話はこちら→
vol.1
vol.2
vol.3
「この町家を建てた当時の持ち主は、骨董商をしていたようです」
施主様のお言葉に「なるほど」と思わず頷いてしまうほど、素材や様式にこだわった美しい意匠が家中に見られる数寄屋造りの町家。
中でも、2階和室天井に取りつけられていた大きく美しい灯りは、目を奪う迫力がありました。
解体中に撮影した灯りです。
大きな球体のシェードに嵌められた真鍮の装飾が、レトロな印象を醸し出しています。真下で見ると圧巻であり、時代を経ても変わらない美しさを感じさせます。
解体中は2階の床が外されていたため1階からもよく見えましたが、やはり存在感があります。
ここまで立派なものは、現在では探してもなかなか見つからないもの。リノベーション後もこの灯りをぜひ生かしたいと考え、今回新たに作る1階ガレージの灯りとして再設定するプランをご提案しました。
こちらが、新しく作ったガレージに設置された様子です。
町家のファサードとよくマッチしているのではないでしょうか。外からも見えるため、まるでこの町家の新しいシンボルになったようです。
もう一度、工事中の2階へと戻ります。
立派で趣向を凝らした造りは、灯りだけではありません。
丸太と煤竹(すすたけ)を組み合わせた、独特の趣を放つ天井です。煤竹とは、元々は古民家の囲炉裏の煙で燻されて変色した竹のこと。茶褐色の色合いが魅力です。
勾配のある船底天井は、空間を広く見せるだけでなく落ち着いた雰囲気をもたらすのが特徴です。
状態もよく大変美しいため、埃払いと部分補修を加えてそのまま生かすことになりました。
新しくなった2階です。
床は断熱材を入れた上でアカシア材のフローリングに。壁のやわらかな桃茶色のクロスが、煤竹の船底天井とフローリングを優しく繋ぎます。
時を経たものには、新しいものにはない美しさがあります。古き良きものを残しながらセンスと技術で磨き込み、新しいものとの絶妙な調和を追求しながら個性に昇華させる。吟優舎の設計プランが目指しているところです。
blogged by 黒川京子
2024年11月29日 11:29 AM |
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下京区六条『大正ロマン数寄屋造りの町家リノベーション』vol.3
100年以上の歴史を持つ、数寄屋造りの町家。古き良き意匠が数多く残る、立派な一軒です。
前回までのお話はこちら→
vol.1
vol.2
吟優舎では、よりご満足いただけるリノベーションを実現するため、施主様のライフスタイルや趣味などを加味した設計プランニングを行っています。
こちらの施主様が気にされていたのは、就寝時のいびき。
そこで、隣り合う2つの寝室を隔てる壁に、防音施工を行うご提案をしました。
寝室工事の状況です。
壁の黒っぽいシート状のものは遮音シートです。燃えにくいポリエチレン系発泡シートでできており、壁の中に設置することで音の伝わりを抑制する効果があります。話し声やテレビの音などが隣室に伝わりにくくなります。
また、防音扉を設置するための枠取り付け施工も行いました。
これらの施工は、あらかじめエアコンや家具の位置を決定してから慎重に行っています。後から壁や天井に穴を開けると、防音効果が低減するためです。
同じように、トイレ壁にも遮音シートを施工しています。
寝室全体の工事も進んでいます。
施主様が購入予定のベッド横には、高さがぴったりと合うサイドテーブルを造作しました。
既製品も検討しましたが、造作だとより最適な高さに設定でき、ベッドから調光などの操作がしやすくなります。
このように吟優舎では、全ての家具や家電を施主様に決定(場合によっては購入)して頂き、サイズや形状を確認。配置は弊社で検討し、図面に反映させていきます。
あらかじめ家具と配置を決めることで、ちょうどいい場所にスイッチやコンセントなどを設置でき、住み始めてからの満足度が高いリノベーションが可能になります。
吟優舎のこだわりの一つです。
blogged by 黒川京子
2024年11月22日 11:00 AM |
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お客様の声<京都市伏見区H様>
お客様が、ご依頼の経緯や施工の感想をお書きくださいましたので、ご紹介いたします。
【京都市伏見区H様より】
まだ具体的なリフォームの計画もなかった頃、偶然に吟優舎さんのホームページに出会い、施工例の写真を見てひと目で住みたい!!と思いました。
わが家は築100年近い京町家の長屋の連棟で、夫の両親と私たち家族が隣同士の1軒ずつに住んでおりました。子どもたちが独立し両親と愛猫を見送ったあと、老朽化した家をどうするか考えていたところ、息子家族が隣同士で住みたいと言ってくれたので、一気に話が進み、私たち夫婦は両親が住んでいた方をリフォームすることになりました。
そこで真っ先に頭に浮かんだのは吟優舎さんの施工例の写真の数々です。大正浪漫の雰囲気漂う和モダンな家に住みたいと思う気持ちが膨れ上がり、ドキドキしながらホームページに載っている番号に電話をかけました。
松山社長に見積りの依頼を受けていただき、待ちに待ったその日がやって来ました。緊張しながらご挨拶をさせていただいた後、さっそく家の中を見ていただきました。社長様が瞬時に提案してくださる内容が、まるでこちらの希望を予め知っておられたかのようで驚きました。
後日、施工費用など簡潔明瞭に説明していただき正式に契約させていただきました。それからの打ち合わせは社長様の素晴らしいセンスとスタッフの皆様の温かいお気遣いで、毎回楽しい時間を過ごさせていただきました。
随所に思いやりと工夫を感じる設計とひと味もふた味も違う建具や照明で、期待は益々高まりました。工事が始まってからは、元の家の一部も残しながら美しく生まれ変わっていく過程を見ることができ感動しました。工事関係者の皆様には、夢を形にしていただき感謝の気持ちでいっぱいです。
さて、新居に暮らし始めて2ヶ月近くになりました。夏休みほぼ毎日うちで預かっていた小学生の孫たちは、輝くような緑の庭とその庭が見えるお風呂が大好きです。格子窓から見える電車もお気に入りです。
アンティークな照明に唐紙の襖、キッチンや土間のタイル、玄関の蔵戸(注目の的です)。使い勝手が良いのは勿論、大好きなものに囲まれた暮らしがこれほど心を満たしてくれるとは!!日々実感しております。
吟優舎の社長様、スタッフの皆様、工事関係者の皆様。1年以上に渡りお世話になりました。心よりお礼を申し上げますとともに、益々のご発展をお祈りいたしております。
H様からのお声をご紹介しました。
大切なお家のリノベーションを任せてくださり、さらにはこのようなメッセージをくださいますこと、大変嬉しく、また大きな励みになります。
ご近所の皆様のお声やお孫様の可愛らしい様子もお聞かせくださり、心が温まる思いです。深くお礼を申し上げます。
お客様に感動していただくことを目標に、今後も社員全員で日々の仕事を大切にしてまいります。 誠にありがとうございます。
blogged by 松山一磨 & 黒川京子
2024年11月13日 4:12 PM |
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