『 最近の記事 』
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(before)工事前
伏見稲荷にほど近い町家での 続報3回目【完成編】です。
(※以前のブログはコチラ→ VOL.1・ VOL.2)
工事前の様子(最初の写真)からの外観の変化をどうぞ。
(after)家外観01
(after)家外観02
門・玄関は、お揃いの瓦屋根と漆喰(しっくい)の白壁を再生。
(after)門周辺。ヒビや割れ欠けを補修。アルミ戸は木製の格子戸に変更。
(after)玄関外観。物置だった建築当初の旧玄関口を復活。木製格子戸と土間石飾りにて演出しました。
広い玄関内部は、アートに造詣の深いお施主様ご夫婦のギャラリーです。
(after)広い玄関内部
(after)正面壁紙は蛸唐草文様の京唐紙。(見やすいよう、この写真のみ暗く加工済み)
(after)格子天井。ギャラリーは控えめな配色に。
撤去した階段跡は吹き抜けにし、ギャラリーへの採光を確保。
(after)英文字のLの形をした展示スペースの白壁。これから、どんな風に飾られてゆくのでしょうか?!
(after)吹き抜け&飾り梁。二階に新設した木製手すりから見下ろすとこんな具合です。
では、『 Lスタイルの空間 』へ!
一見すると大空間のLDK 、じつは…
下の3つの空間(①~③)が合体した、段差の無いバリアフリーの
英字のLの形(スタイル)からなっているのです。
①…南向きの明るい<リビング空間>
(after)<リビング空間> 隣室の床の間を意識してデザインした白いアーチの小空間。
(after)<リビング空間> 書斎スペース。本物のアンティーク扉の隣に、大工造りのデスクを造作。
(after)<リビング空間>の勾配屋根。旧広縁の屋根を、飾り母屋とクロスで仕上げました。
②…格式の高い<和の座敷空間>
(after)間仕切り建具を閉めた状態。昔ながらの床の間を修復・再生しました。
(after)<和の座敷空間> 京唐紙仕上げの天袋の引戸。
(after)京唐紙仕上げの間仕切り建具。天井まである背が高い3枚引戸で、完全に開放できます。
(after)➁<和の座敷空間>と➀<リビング空間>との、間仕切り建具を開放すれば広々。
③…L字のしめくくり<DK空間>
水回り(風呂場・トイレ等)とガレージに直結しており、
家事の基地?でもあります。
(after)<DK空間>ダイニング。無垢フローリングとモザイクタイルで演出。<和のお座敷空間>との間にも、京唐紙の3枚戸が隠されています。
(after)対面式キッチンには、大容量の補助カウンターも設置。
(after)間仕切り建具を開放した大空間LDK! L字形に合体した<和のお座敷空間>と<リビング空間>と<DK空間>。
そして、<DK空間>のもうひとつの特徴は、
「車と一緒にくつろげるスペース」があること。
(after)ご家族で過ごすテーブルから、ガレージの愛車を眺めてお楽しみいただけます!
(after)ガレージ側の右奥には、棚と流し台スペースを設置。さまざまな用途に使っていただけそうです。
(after)ガレージの格子天井。玄関と同じ格子天井ですが、こちらは木目を活かした仕上げに。
これにて工事完了です!
お施主様ご夫婦には今回、木部の塗装を中心にご活躍いただきました。
邸内の面積が広いこともあり、想像以上に大変な作業です。
本当におつかれさまでした。そして、工事期間中は
さまざまお気遣いいただき、誠にありがとうございました!
スタッフ一同より、心から御礼申し上げます。
・再び、玄関とぬれ縁へ。お邪魔しました!
※こちらの『Lスタイル-LDKの町家』 は、弊社のホームページの
『 ピックアップ施工事例 Before&After 』にて、工事前と完成の様子を
詳しく確認することが可能です。
よろしければ、合わせてご覧ください。
『 ピックアップ施工例 』
(→ コチラ http://www.ginyusya.com/pickup/detail_10.html)
Blogged by 小川 還
( 監修 : 松山 一磨)
2015年1月31日 2:39 PM |
カテゴリー:Lスタイル VOL.3 |
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下鴨の古民家、続編 VOL.3【完成編】です。
(※以前のブログはコチラ→ VOL.1・ VOL.2)
ベランダから送り火「妙」が見える家のリフォーム後をご覧頂きます。
中庭に面したリビングに、楠(くす)の無垢材カウンターを造作し、
すべての工事が完了しました。
(after)楠 無垢材カウンター その1
(after)楠 無垢材カウンター その2
(after)楠 無垢材カウンター その3
楠(くす)は、とても木目が美しい木材です。
ナチュラルな風合いに拘(こだわ)り、
植物性のオイルで仕上げました。
(after)玄関内部
(after)玄関フローリング
玄関床には、フランス製の波形加工された松フローリングを採用。
格子天井は朱色。
和紙と京都伝統の唐紙 で、市松(いちまつ)模様に貼り上げました。
(after)玄関 朱の格子天井
天井の唐紙と照明器具の相性はいかがでしょうか?
プランナーが苦労して探し出した逸品です!?
(after)レトロ照明に反射する、唐紙の黄金色
このリノベーションには、3つの大きな造り付け収納を造作しています。
その1つ目は、
玄関土間、正面の土間収納です。
二方向から出入りが可能な回遊式になっています。
(after)玄関土間収納の入口アーチ
棚は、全て可動式になっています。
(after)玄関土間収納の棚
(after)玄関土間収納
和室は既存のスタイルを残し、
お客様のイメージに合わせてデザインを刷新しました。
(after)一階和室
奥に深い広いLDK。
細長い空間が間延びしたり、無駄な空間が発生しないように、
奥様主導で、ゾーンニング(間取り設定)していきました。
(after)リビングスペース
リビング奥の空間は、おそらく過去の増築のなごりだと思われますが、
勾配天井になっています。
天井を垂木(たるき)風にでデザイニングし、
テラスガラス戸上に無垢板の幕板(まくいた)を取付けました。
これは、エアコン取り付け位置にもなります。
(after)リビング中庭側 天井&デザイン垂木
(after)キッチンスペースと縦格子
2つ目の収納は、
階段横の使いづらいスペースを活かしたキッチン収納庫です。
建具はオリジナルデザインの木製3枚引戸。
また、造り付けステンレス天板のキッチンカウンターに設けた「カウンター裏収納」、
そして、階段裏の段差を利用した「レンジ台+収納棚」
(after)3枚引戸の食器棚
(after)階段裏収納・レンジ台カウンター
(after)カウンター前面のモザイクタイルの飾り棚
(after)キッチン のモザイクタイル&レトロ照明
和室との間仕切り建具は、はんなりと。
薄い赤模様の唐紙で仕上げました。
(after)唐紙仕上げの建具
リビング奥のアーチは、中庭奥の離れへと続きます。
鈴蘭(すずらん)型のレトロ照明の下、ちょっぴりワクワク感を胸に進んでいきます!?
(after)夜の離れ廊下 アーチ正面
離れは、2つに分かれていたお部屋を1つの空間にリフォームしました。
書斎部分ともう一方の空間は、2枚の収納引込戸で分離できるようになっています。
常は広く、時には使用目的に合わせて仕切れる構造です。
(after)書斎の本棚&デスク
(after)唐紙建具&ロフト梯子
書斎上部はロフトに。
もう一つの空間は、吹き抜けに。
窓側は、隣家いっぱいに建っていた部分を減築し、
ウッドデッキのテラスを造作しました。
(after)吹きぬけとロフト
柱の並びが、以前の外壁が有った位置。
(after)ウッドデッキのテラス新設
3つ目の収納は、
和室のウォークインクローゼットです。
入口アーチのある一面にアート感覚な洋風の蔓草(つるくさ)模様のクロスを採用。
6帖サイズの内部には、
設置するものに合わせて、計画的に棚やハンガーパイプを設置しています。
(after)二階 和室横ウォークインクローゼット
奥様がお洋服を確認できるように、
正面の収納扉はミラーになっています。
(after)和室横ウォークインクローゼットの入口アーチ
とても大きな工事で、工期も長く、
その間の打合せは、
ほぼ全て奥様お一人で対応してくださいました。
とても大変な大仕事であったと思います。
お忙しい合間を縫って、
常に工事優先でのご対応をして頂けましたことを心からお礼申し上げます。
また、終始暖かいお心で、工事の進捗を見守り、必要な時には、
何をおいてもご協力してくださいましたご主人様に、この場をお借りして、
深くお礼申し上げます。
誠に有り難う御座いました。
そして、お疲れさまでした。
新居での初めてのお正月が、素晴らしいものでありますように。
※こちらの『下鴨の古民家』 は、弊社のホームページの
『 ピックアップ施工事例 Before&After 』にて、工事前と完成の様子を
詳しく確認することが可能です。
よろしければ、合わせてご覧ください。
『 ピックアップ施工例 』
(→ コチラ http://www.ginyusya.com/pickup/detail_11.html)
Blogged by 小川 還
( 監修 : 松山 一磨)
2014年12月11日 12:53 PM |
カテゴリー:下鴨の古民家 VOL.3 |
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本日は、築50年以上を経た一軒家の 続報2回目です。
(※初回のブログはコチラ→ VOL.1)
伏見稲荷大社にほど近い、青空につつまれた
レトロな住宅街よりお届けします。
(before)工事中外観と門
下宿として増築された広い二階のある古民家。
増築されるよりもっと以前、おそらくこの家の建築時に造られたと思われる、
京町家を象徴するような杉板と漆喰(しっくい)のコンパクトで
カワイイ歌舞伎門が残っています。
修復箇所の点検と解体作業を同時進行で始めました。
最初に、門の点検からご覧ください。
(before)修復箇所01 門
下宿する学生さん達も出入りした玄関周辺は、
門とお揃いの、屋根や照明のデザインが特徴です。
(before)修復箇所02 玄関
玄関を入ってすぐ正面に造られた学生さん専用の超急勾配!?の
階段を撤去し、飾り梁や木製手摺を造作。
二階窓から光が入る、吹き抜けのある町家スタイルの玄関にしました。
(before → after)玄関の吹き抜け
すぐ下では、左官職人による、石飾りの土間づくりが進行しています。
アート系のお施主様ご夫婦のギャラリーとして、作品やアート、小物などを
飾って楽しんでいただける広い玄関スペースの誕生です。
(before → after)玄関土間 ギャラリースペース
この玄関スペースの掃き出し窓(はきだしまど)に隣接させて、
ぬれ縁(えん)を造作。
庭からお客様を呼び入れたり、座っておしゃべりを楽しめる
昔ながらの憩(いこ)いスペースを造りました。
これは、お施主様からの強いご希望です。
(after)玄関スペース ぬれ縁
玄関入口には、土間から邸内へ昇り降りしやすいように式台を造作。
下には靴を入れる空間を確保しています。
乱雑に靴が並ぶことを避けるための弊社の標準仕様です。
玄関正面の壁には、おもてなしのアートとして、
唐草模様を版木で刷(す)った唐紙(からかみ)を貼り、
天井は、色違いの和紙を市松模様に貼った格天井(ごうてんじょう)に仕上げました。
(after)玄関土間から邸内を見る
さぁ続いて、今回の改装のテーマの 『 Lスタイル空間 』 をご案内します。
改修前の一階は「DK空間」と「和の座敷空間」が
壁と階段で遮断され、ぐるっと回って廊下を通って行き来するという
何とも不便な造りになっていました。
これは、和座敷を特別な場所として重んじる昔ながらの間取り設定に
由来するものだと思われます。
まず、この遮断している壁を解体撤去しました。
次に、明るい南庭に面した、家事動線から外れていて
一番静かな場所にある小さな座敷を広縁とまとめて一部屋にし、
ご家族がゆったりと集える<リビング空間>に設定。
そのリビングとDKの間にある、畳敷きの和室は残しました。
▶ <リビング空間>
▶ <和の座敷空間>
▶ <DK空間>
通常は、この三つの空間が、ちょうど英字のLの形(スタイル)で、
一つの大空間を形成しますが、
その三つの空間を、天井高の引込戸でそれぞれの個別の空間として
間仕切ることができる設計です。
この三つが一つにまとまって、『 LスタイルのLDK空間 』を造っています。
『 LスタイルのLDK空間 』 は、段差の無いバリアフリー(Barrier free)の床で
すべての居室と繋(つな)がっており、
「行き止まりのない回遊式の動線 」を実現しています。
・Lスタイルへ変身!
各部屋を回遊式にぐるぐると移動でき、家事の動きに無駄がないため、
家事や移動の効率もアップ、幼いお子様にも目が届き易くなっています。
南北の庭からの風通しも良くなりました。
こういった大胆な間取りの変更ができるのも、
柱で家を支える日本古来の「在来軸組(ざいらいじくぐみ)工法」で建つ
町家の大きな魅力のひとつかもしれません。
(before → after)行き止まり解消へ!回遊式の Lスタイル
玄関正面のアンティーク建具の出入口から、<リビング空間> へどうぞ。
このアンティーク建具は、この家にあったものをリメイクして再利用しています!
(after)Lスタイルをぐるり 01 リビング〜和の座敷
南面のコーナーには、ご主人様専用の大工造りのデスクを製作。
南庭への開口には、スーパーワイドのテラス窓を採用し、
ふんだんに太陽の光と風が取り入れられるように設計されています。
リビングの北面には、アンティークの2枚建具の収納および
床の間をアレンジしたデザインのテレビコーナーを造作。
煤竹(すすたけ)とカーブを描いた漆喰(しっくい)調の垂れ壁は
隣接する和室の床の間とつり合うよう、町家をイメージしたものです。
(after)オリジナルのデスクと煤竹と漆喰調の垂れ壁
そして、『 LスタイルのLDK空間 』の要所は、各部屋の間仕切り!
壁面収納式の背が高い引戸によって、
建具を開け放ち、普段はL字スタイルの一つの大空間として使用。
建具を閉めれば、個別の部屋が確保できるようになっています。
日常は広々と、また自由に仕切っても使える、フリースタイルのLDK空間です。
暮らしてみたら、いろんな生活スタイルの発見があるのではないでしょうか…?
(after)壁面収納の間仕切り建具01 リビング〜和の座敷
(after)壁面収納の間仕切り建具02 和の座敷〜DK空間
<リビング空間>から、隣りの<和の座敷空間>へどうぞ。
当初から存在する和室は、日本伝統の格式あるスタイルがなじみます。
壁面には珪藻土のクロス、床の間には和紙のクロスを施工。
表面のお化粧だけをリメイクし、デザインはそのままに
往時の姿を蘇(よみがえ)らせました。
(after)Lスタイルをぐるり 02 和の座敷〜DK空間
では、<和室の座敷空間>から、<DK空間>へどうぞ。
L字型の最後のしめくくりは、
水回り( 洗面所・浴室・WC )とガレージへ繋(つな)がる
ダイニング・キッチン(つまりDK空間)です。
(after)ダイニング・キッチン全景(=DK空間)
『 生活しやすい快適な空間造り 』 を目標に、
水回り全部(洗面所・浴室・WC)およびエントランス (玄関と通用口)の
生活動線を、すべて<DK空間>に直結させました。
家事動線は短く、効率良く!
奥様はもちろん、ご家族全員が、無駄なエネルギーを使わず、
楽に暮らせる生活動線を計画し設計しています。
家具もまた、オーダーメイドで造り付けることにより、
デッドスペースが無く能率も良い収納スペースを確保することが可能です。
(after)キッチンのカウンター
キッチンには、レトロ感が溢(あふ)れるモザイクタイルの
対面キッチンカウンターと収納バックカウンターを造作。
天板は、熱と汚れに強いステンレスです。
カウンターのキッチン側には、2列の調味料棚を製作。
小さいながらも、思った以上に有れば便利で嬉しい装備です!
収納バックカウンター内には、コンセントを設(もう)け、
棚はスライド式となっています。
勿論、無駄なスペースが発生しないように、お手持ちの
器具サイズに合わせて造作。
全て、現場の大工造りです!
対面キッチンカウンターに向って立てば、後ろに
冷蔵庫・収納バックカウンター・収納家具(食器棚)が一列に並びます。
では現場の大工造りの、収納家具(食器棚)をご覧ください。
(after)キッチンの収納家具(食器棚)
エアコン位置として、この収納家具の上部が最良なため、
エアコン取付用下地と一緒に造作しました。
既製品の家具では、上手く納まらない部分です。
扉の取手は、輸入雑貨のお店で購入したもので、弊社の在庫が最後となる逸品です!?
オリジナル家具ならではの、お楽しみです!
(after)愛車が見えるダイニング
キッチンやダイニングから、車をご覧になれるプランニング。
「家で、室内から愛車を眺めながら、寛(くつろ)ぎたい。」
というのが、ご主人様からのご要望でした。
そこで、浴室・洗面所・WC を解体撤去し、後ろに下げることでその空間を確保。
せっかくですので、
愛車をご覧になるための窓や建具を木で製作させて頂きました。
ガレージ内の壁面にも無垢の杉板を施工し、癒しある空間に。
ちなみにこの杉板壁の塗装は、ご主人様と弊社スタッフでの D・I・Y 施工です!!
ガレージ内部のコーナーには、車やその他の外回り品を洗うための
流し台スペースも造りました。
屋内ガレージですので、天候を気にすることなく、
作業スペースとしても活用できる空間です。
また、このガレージはDKに直結していますので、お買物の荷物を
楽にキッチンへ取り込むことが可能です。
(after)水回り01 洗面室&お風呂場
続いて、水回りへどうぞ。
<DK 空間> 直結の、水回り(洗面室・浴室・ WC)です。
ダイニング・キッチンから伸びる北庭への廊下に
洗面室・浴室・WC 、の順で配置設計。
廊下出入口には、大正期から昭和初期の町家で実際に使われていた
アンティーク建具をリメイクして設置しています。
この家の持つ町家イメージとピッタリと寄り添い、違和感なく納まってくれました!
WCに施工したホワイト色の花柄模様 (下、中央2枚の写真参照) のクロスは、
奥様からの支給品です。
このクロスの美しい花柄模様を引き立たせるため、他の三方のクロスは、
同系のホワイト無地のクロスを施工させて頂きました。
(after)水回り02 WC
最後に、二階について簡単にご紹介します。
断熱ペアガラスのサッシ窓への取り替えがメインの工事です。
以前、下宿部屋として増築され多くの部屋を有する二階フロアー。
全部で5部屋あります。
各窓には、以前の下宿増築工事の時のものだと思われる、
鉄製の窓建具が入っていました。
重く、動きも悪くなっており、断熱面でも問題があったので
全て交換。
窓さえ直せば、各部屋は普通に使用が可能ですし、
施主様自身のD・I ・Y 施工でのリフォームも可能な状態です。
南側の古い鉄製のバルコニーは、このブログ撮影後に施主様が塗装をされ、
弊社大工の一人と共に、床と屋根の工事をされてリフォームが完成しています!!
玄関の下宿生用の階段を撤去し造った、玄関吹き抜けの上部には、
木製格子の手摺を造作。二階から玄関を見下ろすことが可能です。
幼児が登れないよう、縦格子とし幾分高いめに設定しました。
・二階リフォーム部分について
今回のリノベーションには、
塗装を中心に、施主であるご主人様に工事に参加していただきました。
勿論弊社スタッフのレクチャー(Lecture)付き!?です。
D・I・Y のススメ!?(寸法採寸/家具塗装)
作業のほとんどが経験の無いことで大変だったと思いますが、
終始、にこやかに、気持ち良く参加してくださったご主人様には、
この場をお借りしまして、あらためて御礼申し上げます。
ご協力、本当に有り難う御座いました m(_ _)m
そして、誠にお疲れさまで御座いました。
〜伏見の光景をどうぞ〜
次回VOL.3では、完成写真をお届けいたします。
とりわけ、大きくイメージの変わった町家スタイルの外観を
ご覧頂きたいと思っております!!
ここまでおつきあいいただき、ありがとうございました。
Blogged by 小川 還
( 監修 : 松山 一磨)
2014年11月27日 12:55 AM |
カテゴリー:Lスタイル VOL.2 |
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『下鴨の古民家』の続報 VOL.2 をお伝えします。
(※初回ブログは → コチラ)
(after)ベランダからの景色
送り火の「妙」の字の山が見えるベランダが
完成いたしました。
中庭を見下ろす位置にあるベランダです。
同時に、屋根の葺替えも行いました。
(after)ベランダ/葺替えた屋根
この部分の屋根は瓦ではなく、ガルバリウム鋼板を採用しています。
軽く、従来の鉄板材とは違い耐久性にも優れています。
では、玄関から見てまいりましょう。
(工事中)新調された玄関戸
新調された玄関格子戸と欄間です。
これから塗装し、ガラスを入れて完成です。
玄関を入ると、すぐにアーチ形の開口部があります。
新設の土間収納です。
(工事中)玄関土間/土間収納のアーチ形開口部
左官職人が土間仕上げをする前に、設計デザイン担当者が、
(before)石の床飾りを考案中
石を選び、床飾りのパターンを実際に作っていました。
那智黒石を花びら状に並べています!
(工事中)アーチ型の開口部より内部を見る
アーチ形の向こうには、木工事担当の大工職人さんが二人。
この土間収納は、数人の大人が入れる広々設計としました。
2方向に入口があり、行き止まりのない回遊式の動線になっています。
では、もう1つの、階段脇の開口部から内部をご覧ください。
(after)階段脇の開口部/完成した那智黒石の床飾り
玄関天井は、華やかな格子天井に造り変えています。
元々あった来客用トイレと手洗いスペースは完全に撤去し、
明かりと風を取り入れるための大きな窓を新設しました。
(工事中)玄関天井に唐紙を施工中
(工事中)窓新設で玄関を明るく!
さあ、玄関横の和室へお進みください。
縁側との間仕切りを撤去して和室の一部に取り込み、
そのぶんだけ隣のLDK(主にリビング)の面積を広げています。
縁側だった部分は勾配天井を活かし、網代(あじろ)のクロスでデザインしました。
また、小さな拘(こだわ)りとして…
すぐ隣のLDKのリビングスペースに新設した、観音開きの物入れの建具の高さを、
和室内にある既存の床の間の開口高と合わせています。
このような設計により、言葉では説明できない、感情的な安定感を
生み出せるのではないかと考えております。
(工事中)縁側を撤去、和室の一部に変更
(工事中)既存の床の間と、新設した観音開きの物入れ
LDKのキッチンスペースには、食事もできるキッチンカウンターを
新しく製作し、リビングとキッチンの間に設置。
両方から利用できる便利なカウンターです。
カウンター天板はステンレス、デザインのポイントとして側面の棚に
モザイクタイルを埋め込んでいます。
(工事中)キッチンカウンター 製作中/設置予定場所の壁面
(工事中)キッチンカウンター 固定
リビング側から見た、キッチン正面全景をどうぞ。
私たちスタッフのお気に入りの場所(見せ場)の1つです。
モザイクタイルとアンティークイメージのカウンター、そして、
オーバル(oval:卵形や楕円形)のペンダントに、
シンボルとも言える…木目を強調させた大きな柱。
(工事中)キッチン正面全景
キッチン正面右側は、斜板をはずし、敢(あ)えて凸凹が見える
ようにした階段の裏側です。
デザイン的に楽しめるよう、従来のクロス仕上げではなく、
裏側全体を無垢材(むくざい)で造作し直しました。
下部は、レンジ台と収納になっています。
(工事中)階段下収納
この階段手前の、ぽっかり空いたスペースには、天井まである超大型の食器棚を
新しく造作しました。 扉は3枚引戸ですので、大きく開けることが可能です。
またこの建具、デザインにも力を入れています。
完成をお楽しみに!!
(工事中)キッチン食器棚 製作中
キッチン正面左側(すぐ上の写真の左奥)には、
洗面&洗濯室への開口部があります。
こちらも回遊式の動線にリフォームし、キッチンとリビングの2方向から
出入りが可能になりました。
洗面&洗濯室の奥に見えているのは、浴室です。
(工事中)キッチンカウンター横から、洗面&洗濯室を見る
洗面&洗濯室の内部へどうぞ。
左には天井まである収納棚を造作し、右には大型洗面台と洗濯機置き場を。
これでもう、『お母さ〜ん、パンツは?』という声に悩まされることはない…かも!?
(工事中)洗面&洗濯室。左:収納棚/右:洗面台と洗濯機置き場
リビングスペースは、中庭側の既存の屋根勾配の天井に
新しく無垢の垂木(むく の たるき)をデザインし、
ナチュラル感あふれる空間を演出しました。
(工事中)リビングスペース。中庭側のテラス窓と天井
リビングから離れへと続く通路入口は、アーチ形の開口部にリフォーム。
通路の途中には、前より広くなったトイレがあります。
このトイレ、以前は、リビングから出入りする配置となっていましたが、
今回のリフォームで、離れへの渡り廊下から入れるように設計変更しました。
扉の多くは、大正~昭和初期に製作されたアンティークの建具を採用しています。
(工事中)リビングから離れへの通路を見る
(工事中)エアコンのダクトケース、フタを外したところ
じつはこのアーチ壁、デザインのためだけのものではなく、
エアコンのダクトケースにもなっています。
テラスサッシ上部に設置されるエアコンのダクトやドレイン配管を隠し、
スッキリさせるためです。
アーチを通り、離れへ進みます。
(工事中)離れ。ロフトのある書斎正面/オーダーメイドの本棚と机
(工事中)ロフト側(書斎の上部)/吹きぬけ側
離れの2部屋は天井を撤去し、一方をロフト付きに、
もう一方を吹きぬけに改造しました。
(after)吹きぬけには天井扇を設置
吹き抜けの高い天井
また、吹きぬけ側に、テラス窓(掃き出し窓)を新設。
隣家までいっぱいいっぱいに建っていた外壁を、半間(90cm)後退させ、
その空間にウッドデッキを敷き詰めました。
ちょっと面白い空間になっています。
子供たちが大好きになりそうな場所…が出来たかもしれません!?
隣家との目線を遮るため、微妙な高さ(?)のアルミの通風フェンスを設置しました。
(工事中)ウッドデッキのテラス
さて、二階の和室は、縁側と床の間・押入れを撤去して、大きな空間を造り、
収納棚が3列ある大容量のウォークインクローゼット(→ 約6畳の広さ)を
新設しています。
珪藻土のクロスを採用し、教室として多人数が使用されていた以前とは違う、
ほっとする雰囲気を目指しました。
(工事中)二階の和室、板床部分
(工事中)二階の和室、畳部分/ウォークインクローゼット
(工事中)ウォークインクローゼット内部/3列の収納棚
(工事中)棚板は可動式になっています。
夕暮れ後に、各室に照明器具を取付けてまわりました。
中庭が見えるリビングの窓辺です。
(工事中)リビング窓辺の照明
私たちが目標とする『 新しいのに古く懐かしいデザイン 』に
相応しく(ふさわしく)ありますでしょうか!? いかがでしょう?
このあと、塗装と最後の仕上げに入ります。
腕によりをかけて、塗装職人と大工職人が
木工作業に奮闘いたします。
ご期待ください!!
ここまでおつきあいいただき、ありがとうございました。
m(_ _)m
Blogged by 小川 還
( 監修 : 松山 一磨)
2014年8月23日 2:06 PM |
カテゴリー:下鴨の古民家 VOL.2 |
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京都市南区『子供を育てやすい町家』の完成編です。
私たちが昨年施工させていただいた建築の中で代表的なものだったと思います。 この建築のプランナーを務めた新造は、一度に複数の建築の担当をしません。 『 1棟入魂 』 が彼女の信条です。 現場に通う頻度も高く、その拘(こだわ)りは、最後の最後まで続きます。 共に働く私ですら、その姿勢には敬服の念を感じています。
今回のこの建築は、今から子育てをされるまだお若いご夫妻の新居として、プランさせていただきました。 引渡しに際して、その施主様ご夫妻が夕方暗くなろうとする中で、いつまでもその外観を眺め続けていらした姿に、胸が熱くなりました。 建築をしていて、一番嬉しい瞬間です。
『 良いものを造りたい 』 『 美しいものを造りたい 』 『 可愛いと喜んでもらえるものを造りたい 』 と常に思っています。
プロでなくても、とてもセンスが良く、素晴らしいご提案をしてくださる施主様がいらっしゃることは、事実です。 ただ 『 こんな家を造りたい 』 という思いを実際に形にしていくことは、容易なことではありません。 細かいバランスやディーテイル(細かいデザインや納め方)を考慮しながら、トータルに考えて建築を進めることは、たいへん難しく、お客様にその一つ一つを聞いて、施工してしまうと、『 お客様のイメージされていた欲しい形 』 とは、『 違う物 』 ができてしまうことの方が一般的だと思います。 だからこそ建築の専門家としての私たちの存在価値が有るのだと信じています。
時間をかけて施主様の 『 欲しい形 』 をヒヤリング(じっくりとお客様のお話を聞くこと)を通して理解していきます。 そしてそのイメージをできる限り正確に捉(とら)えて、私たちのアイデアやデザインをプラスした形でプランニングを制作します。
2つのプランを提出することはありません。 『 最善を尽くした1プラン 』 をご提案しています。
施主様の言われるがままをプランするという設計士がいますが、私たちは敢(あ)えて、イメージのみを聞いた上で、細かい部分までご提案しています。 そこにはある意味、逃げ場のないリスクが存在します。 それでも、そうでなければ 『良い物 』 はできないと考えています。
この 『 子供を育てやすい町家 』 をご発注してくださいました施主様は、初めにご提出したプラン通りの内容で、ほぼそのまま建築をさせてくださいました。 だからこそ、私もプランナーもなおさらに、最後の最後までこの家に 『 一棟入魂 』 で臨めたのかもしれません。
ここまで信頼してくださった施主様には、感謝の念でいっぱいです。 このことは、一生涯忘れられないことだと思っております。
以下は、今の私達の精一杯の建築です。
勿論、これからなおいっそう精進して、さらに良い建築を志し続けます。 末永いご贔屓のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
Blogged by 松山 一磨(いつま)
左から玄関、自転車スペース、子供たちのフリースペース。 大きく見えますが間口は5mです。
手前は子供たちのフリースペースです。 ここからも出入りできます。 汚れた手足を表のモザイク造りの洗い場で綺麗にしてから室内へ・・・
もともとこの建物に有ったメタル製の花台です。 とてもお洒落な形をしています。 錆を落とし、不要な部分は撤去し、さらに溶接補強して生まれ変わりました!! 次の30年、また頑張ってください。
竪の格子で揃えたデザインです。 それぞれの格子のサイズを変えることでバランスに変化がついています。 この『バランスの変化』がある意味『美しさ』でもあると感じています。
玄関の片引き戸を空けた状態です。 表側の土間のデザインをそのまま玄関内部まで連続させています。
玄関網戸も木製で製作しました。 ネットはステンレスで耐久性をアップさせる仕様にしています。
一見お茶室風の3帖間。 子供たちの憩いの場。 ちょっとした来客時など、奥のリビングでなくここでお話することも可能です。
玄関収納はオーダー製のものを誂(あつら)えました。 飾り台は銀杏(いちょう)の無垢材。 表の路(みち)から格子のFIXを通して、飾ったお花がさり気無く見える設計になっています。
施主様拘(こだわ)りの玄関収納内部。 何を置くかを決めた上での設計と施工です。 電動自転車のバッテリー充電用のコンセントも設置してあります。
玄関廊下。 このフローリングは、フランス製チョウナ加工の無垢材です。 左はLDK入口。 昭和初期製作のアンティーク建具です。 ガラスを装着し、塗装をして再登板!! 正面のお部屋は子供のフリースペースの玄関からの様子です。 一見お茶室っぽい感じではありませんか?
お茶室をイメージした子供たちのためのフリースペース。 天井は格(ごう)天井にして、色の違う和紙調のクロスを市松仕様で施工。 床面は畳ですが、和紙をコーティングした色褪(あ)せしない、汚れの拭き取りやすい素材です。
玄関廊下からリビングを臨んだ様子。 右側は2階への階段室扉。 左はキッチンですが、来客者からキッチンが丸見えにならないように格子のパーテーションをつけました。 また幼児が自由にキッチンに入れないように鍵つきの格子扉を設置しています。
リビング内部から見た入口付近の様子。 アンティーク建具が町家の雰囲気を醸し出してくれます。 床は松の無垢フローリング。 塗装は柿渋+ベンガラの日本古来からの天然素材です。
LDKの一番奥、増築して天井を高くしたもっとも寛(くつろ)げるスペースに家族が憩(いこ)うリビングゾーンを配置しました。 その真上には大型の天窓が有ります。
東西に窓の無い町家。 天窓は明かりを取り入れる最強のパーツです。 天井は構造材を出してナチュラルな雰囲気を演出してみました。
奥様のご希望でキッチンは家族の顔が見える対面キッチンに。 風通しを考えて窓を多めに設置しています。 これも東西面に窓が無いことへの対策です。
モザイクタイル造りのキッチンカウンター。 LDKの中心に位置する、この町家の新たな顔の一つとして、製作しました。
レトロ感満点のモザイクタイル。 『 古いが新しい 』 という言葉がぴったりなモザイクタイル。 弊社お勧め素材の優等生です。
弊社では、取り壊された町家から回収された江戸時代~昭和初期製作のアンティーク建具を好んで再利用しています。 新品では決して表現できない味わい深さがあります。 これもまた弊社お勧め素材の優等生です。
2013年4月5日 4:21 AM |
カテゴリー:子供を育てやすい町家 VOL.4 |
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