『 最近の記事 』

猫と貴方と私の古民家暮し in 近江八幡

お客様から昨年のクリスマスに
このようなクリスマスカードのような
素敵なお写真と嬉しいメッセージを頂きました。

大きな励みになります。

今年、謙虚な気持ちを忘れることなく、

  「お客様に感動して頂く」

という弊社の社是(しゃぜ)が叶うよう
全員で日々の仕事を大切にしていきたいと祈念しております。

blogged by 松山一磨

京都市東山区 『山手の街並みに佇む町家リノベーション』 vol.4

京都東山区の『山手の街並みに佇む町家リノベーション』。続報をお届けします。

前回までのお話はこちら→vol.1 vol.2 vol.3

弊社スタッフ、施主様ご夫妻とともに京都御池にあるタカラスタンダードショールームを訪れました。

ここは、キッチンや浴室などに設置する製品が展示されているショールーム。専属アドバイザーによる説明もあり、製品を見たり触れたりすることで、使用感を確かめることができます。

弊社はサイズ感やデザイン面の視点から、施主様の製品選びをお手伝いをします。

施主様は、シックな木調デザインのシステムキッチン、浴室暖房や乾燥機など機能が充実したホーローのタカラスタンドード製の浴室を選ばれました。

新しく生まれ変わる家に、これらの製品が実際に設置された様子が早く見てみたい!とワクワクした広報担当者です。

ショールームを後にした一行。

施主様とともに現場へと向かい、工事の様子を見て回りました。

最初の回(vol.1)で前回お伝えしたキッチンの上部です。

閉じられていた天井を開けると… 往時を偲ばせる、通り庭上部の火袋と高窓が現れました!

こちらは、改修前のキッチン。吹き抜け部分が閉じられていたので、ずいぶん印象が異なります。

子どもの頃この家にお住まいだった、施主である奥様。

「あの高窓、あるのは覚えてました。途中で天井を閉じたんです。古い家だから、家の中は何回も直してたんですよ」

施主様宅のように、昔ながらの町家はその後の改修で天井を閉じてしまうことが多々あります。

今回のリノベーションでは、隠されていたこの火袋を復元し、窓ガラスはペアガラスに交換することで光も取り入れます。

元々の火袋を復元することで、町家独特の天井の低さを解消した広々とした空間が出来上がることでしょう。

解体したことで、壁や柱などこれまで見えていなかったところがあらわになっています。

「すごいな、こんなんでよう建ってたな、ボロボロやわ」とご主人。

ここに補修を加えながら、耐久性もデザイン性も優れた家へと生まれ変わらせるのが吟優舎の仕事。気合いが入ります。

「子どもの頃の思い出が詰まってるから…懐かしいわ」と家中を見つめる奥様。

「きれいになるのが楽しみですね」とお声をかけると「本当にね」と頷かれました。

一体どんな家に生まれ変わるのでしょうか。広報担当者もとても楽しみです。

blogged by 黒川京子

京都市東山区 『山手の街並みに佇む町家リノベーション』 vol.1

今回からご紹介するのは、京都東山の住宅街に佇む一軒家。

施主様ご夫妻の奥様が、小さい頃に住まわれていたご実家です。奥様のご両親がお住まいだったこの家をリノベーションし、ご夫妻の終の住処にしたいというご要望を承りました。

「私の父が子どもの頃に建った家なんです。もう90年以上経っているのかな。せやから、どうなるのかなと不安もあるけど、きっと上手に直してくれはると思って」

穏やかに語る明るくおしゃれな奥様と、物静かで優しそうなご主人。ご夫妻のお好みをよくご存知の息子さんが、インターネットで弊社を見つけ、薦めてくださったといいます。

築90年以上にもなるこのお家は、いわゆる古民家といわれる物件。外から見ると波板にツタが這っていて、確かに年月を感じさせます。

しかし古い梁や建具を生かして再構成すれば、きっとべっぴんさんの素敵なお宅になる!と直感した弊社所長。施主様ご夫妻のお好みに合わせ、町家風デザインを生かしたリノベーションを施すことになりました。

実はこの家、何度かの改修を経て物置が増築されるなど外観が変化していますが、もともとは町家だったと思われます。

【京町家の定義とは?】
「通り庭」「火袋」「出格子」のいずれかがあることです。



「通り庭」とは、玄関から裏庭までまっすぐに通る土間のこと。昔は裏庭にいったん出てから、お風呂とお手洗いがありました。通り庭にはおくどさん(かまど)が置かれたため、炊事の火が燃え移らないよう天井が吹き抜けになっており、その空間を「火袋」と呼びました。

改修前のキッチンです。天井は吹き抜けではなく、閉じられてしまっています。

ちょっと裏庭へ出てみましょう。

2階の端につけられた、小さな窓。今は裏庭からしか確認できないこの窓は、火袋に取り付けられた高窓です。町家の火袋には、このように灯り取りのための窓が必ず付けられていました。これはまぎれもなく火袋があった証拠です。

そこで、キッチンの天井に吹き抜けを再現し、最大限に光を取り込むプランを立てました。明るいキッチンに生まれ変わるのが今から楽しみです。

また施主様がご高齢になった時のこともふまえて、今後も暮らしやすくする工夫を盛り込んだプランをご提案いたしました。

時を積み重ねた一軒家が、レトロモダンな京町家に生まれ変わる過程を少しずつご紹介していきます。

どうぞよろしくお願いいたします。

blogged by 黒川京子