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外観
初めて拝見した時に、この家はリフォームでべっぴん(美しく)になると直感しました。
そのための最大の仕事は、1階部分の三角形の屋根形状を前面片流れにすること。あとは、お化粧です。
不要な部材を撤去して、木製格子、町家特有の花台、化粧柱などをあしらってリフォームしていきました。
外観
花台は、初めてこの家を拝見した時から絶対必要条件でした。
いわばクレオパトラの鼻?!みたいな感じです。
京都の町家にはなくてはならない造作素材です。
外観
腐食し、朽ちかけた花台と木板、雨戸を撤去し、この家本来の持つ美しい形を引き出すお化粧を施します。
壁面の素材や色、格子のピッチなど一つ一つのパーツと全体のバランスを吟味しながら決定していきました。
樋のデザインにもこだわっています。
玄関
綺麗で効率的な動線が取れるように勝手口があった場所に増築をして玄関を移動。玄関引戸、FIX窓に木製竪格子を採用しました。洗練された町家の雰囲気に施主様も大満足して頂いています。
1Fリビング①
玄関からリビングへの建具は、京都夷川の古建具屋さんで購入した大正期のアンティーク品です。
新品の建具には表現できない情緒的な雰囲気と手間をおしまず作られた繊細な細工は、流石な逸品です。
また、費用も新しく作る建具の1/2〜1/3!!
1Fリビング②
天井高が2m15cmしかなかったため、天井板を撤去して、2階床の構造材を見せて最大限天井を上げました。
その結果、天井にメリハリができて普通の天井よりデザイン的にも面白いものになっています。
1Fリビング③
裏庭に面したテラスの壁面は全面ガラス窓、天井には大型の天窓を設置しました。そして全長5mの無垢のカウンターは施主様の一番お気に入りのスポットのようです。ご訪問の際は、ここで美味しい珈琲をご馳走して下さいます。
リビングテラス
もともとは半外部、WCへの渡り廊下部分をキッチンに改造しています。キッチンから望むテラス。
裏庭に臨む窓を囲むように設置されたL型カウンターは全長5mで、この家一番の癒しスポットです。
1F和室
傾きかけた和室の壁を修正補強してから仕上げにかかりました。
お庭に面する広縁がこの和室の癒しの雰囲気をグンと引き立ててくれます。この障子戸も京都夷川で安価で手に入れたアンティーク建具です。
1F和室
この欄間も京都夷川の古建具屋さんで仕入れたアンティーク建具です。これだけ細かい細工は、今では作ること自体困難なものです。
アンティークならではの情緒的な雰囲気が、この和室の癒しの効果をグンと高めてくれています。また天井は、わずかに色の異なる和紙調クロスを市松貼りしています。
2F
2階は広い階段ホール+1部屋に改造。
いつでも2部屋に区切れるように入口は2ケ所設置してあります。
一部天井は作らずに元々の大きな丸太梁を見せての施工。窓にかかる花台に腰掛けて夕涼みなんて素敵ですね!
キッチン
キッチン移設場所は、ここしかないと言う事になり、乱立する柱を抜く工事からスタートしました。
キッチンの壁は、キッチンパネルでなく、モザイクタイルを採用。
見る人の心を癒す仕上がりのようです。 キッチン奥に見えるのは、食品収納庫です。
洗面
既製品でなく、オリジナルの洗面台を作りました。
モザイクタイル、木の無垢天板、陶器製洗面器、ガラス枠のミラー・・・・。
完成見学会で最も人気のあったところです。
浴室
お庭に面する浴室です。
こちらは、浴槽を取替、タイルを張り替えただけで、大きな変更はありませんが、雰囲気はグンと変わっています。
タイルの壁面や床は、今主流のシステムバスにはない温もりがあるようです。
その他 After 写真
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外観
京都らしい美しい路地奥にたたずむ家。そのため京都の市街地にありながら、静かな空間がこの家を囲んでいます。
外観
塀は、もともとのものを塗装し直して再利用しています。門戸は、アルミ製のものを木製戸へ取替。
門戸を開くと京情緒いっぱいの空間が広がります。
玄関
ご友人からの贈り物の絵画を飾るために当初から予定して造った壁面の絵画スペース。
その奥にはステンドグラスの入った建具を設置。床は松の無垢フローリング、壁面は和紙のクロスを採用しました。
リビングテラス
リビングテラスの天井には、巾160×奥行130cmの大型の天窓を設置。
お庭に面する壁面も全て窓を配置していますので太陽の光が降り注ぐ、開放的でとても明るいテラスが完成しました。
キッチンスペース
リビングテラスに隣接のキッチンスペース。カウンターはキッチンの補助台にも早変わり。
奥に見えるのは、食品収納庫。開放感を出すために、天井は屋根の形状に合わせて、いっぱいまで上げた勾配天井にしました。
1F和室
畳は縁なしの市松畳を採用。
それに合わせて天井も桟木で碁盤の目状に仕切り、わずかに色の違う和紙調クロスを市松貼りしています。
階段室
階段部分が暗くならないように、2階ホールとの間仕切りは壁面にせず、窓からの光が入るように木製竪格子を採用しました。光は勿論ですが、装飾性からみても、美しい仕上がりになっています。
ステンドグラス
玄関正面の建具。ステンドグラスを使ってみました。
光の状態でその表情を豊かに変える美しい素材です。弊社プランナーでもある小橋広市の製作です。
その他 Before 写真
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2階の状況は、劣悪と言っても言い過ぎでない状態でした。
また床は段差が多く、天井も複数回に渡るであろう改装工事の結果、接合部か複雑になっており、高さは勿論ばらばらですが、雨漏りが発生しやすい状況でした。